(はじめに)
僕の友人に、昔、実の母親に『精神的虐待』を受けた者がいる。(今は幸せに過ごしているが。)
それは、子供の頃の事なのだが、今も鮮明にその体験談を話してくれた。
その話を聞いて解ったことは、大人になった今も、心は深く傷ついている・・ということだ。
又、その話を聞いて、僕は『それって、外国の児童文学[にんじん]と一緒やん⁉』とも思った。
心理的虐待をテーマにした半自伝的児童文学、ジュール・ルナールの『にんじん』である。
そしてこの話、今こそ『紙芝居』にすべきだと思った。
それが、今からお話する紙芝居『にんじん』である。
尚、この紙芝居はラストが小説とは少し異なっている。
・・敢えて、そうした。それを最初に述べて始めるとする。
それでは、紙芝居『にんじん』のはじまり、はじまりー。
《母につけられたあだな にんじん》
ジュール・ルナール原作
僕は『にんじん』と呼ばれている。
髪の毛が赤くて、もじゃもじゃしているからかもしれない。
そんなあだなを付けたのは、お母さんだ。
お母さんは僕を名前で呼ばず、『にんじん』と呼ぶ。
だから、お父さんも、兄さんも、姉さんも、みんな僕を『にんじん』と呼ぶんだ。 つづく
[管理用]
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