住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「楠木正成ここにあり!」(その6)

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(帝)「正成、逆臣[足利尊氏]をやっつけてくれ!」と、後醍醐天皇は、正成に頼み、一時は尊氏を九州に追い払うことに成功しました。
 ・・が、しばらくすると、尊氏は九州の武士たちを皆、家来にして、今度は都に向って逆襲して来ました。

(帝)「正成、何とかせえ!尊氏をやっつけよ。」と、後醍醐天皇は、又、正成に命じたのでした。
 しかし、正成は、じっと考えて次のように言ったのです。
(正成)「帝、尊氏と仲直りしてください。・・それが出来ないようなら、今度の戦さ、勝てまへん。」
(帝)「なぜじゃ、正成⁈」
(正成)「・・一度、負けながら、皆が家来になって付いてくるというのは、尊氏が万民の心を掴んでいるという事でおます。・・万民の心には、・・勝てまへん。」と言いました。
 しかし、正成の意見は却下されました。
 
 こうして正成は、九州から大挙して帰って来る尊氏軍に立ち向かうことになりました。
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 その京の都から、兵庫(今の神戸)へ向かう途中でのこと。
 [桜井]という場所で、陣中の息子の《正行(まさつら)》を呼びました
(正成)「息子よ、お前はここから[河内]の国に帰れ。
 ・・今度の戦さ、どう考えても勝目はない。味方が集まらん。・・時勢が解っているのか、大半の仲間が去ってしもた。
・・おそらく、今度の戦さで父は死ぬと思う。
 お前は、こんな戦さで死んだらあかん。
 生きて故郷に帰って、母や弟を助けよ。そして、大きく成長して力を付けるんや。そして、これからどう生きたらベストかを、自分でよく考えるんや。・・わかったな。
 ・・残念やけど、しゃあない。これしか無かったんや、父の選択は・・。
 エエか、これは父の命令じゃ!」と言って、涙を浮かべながら、息子と別れたのでした。 次回最終回、つづく

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