師匠の元明師が太鼓判を押したように、吉兵衛さんはもう「このままでは、とても死んで行けましぇ~ん」と言うようなオロオロした面影は無くなっていました。
吉兵衛さんは、《絶対他力》の境地に達したのです。
吉兵衛さんが、[死]について語った次のような言葉が残っています。
「この世界で、人が一番嫌がること(=話題)は、死ぬことや。・・死ぬ事を思うと、してる仕事も手に付かんと申す。
又、『死ぬことを聞くのも嫌!知らずして暮らしている方が良い』と、思う人がいる。
それは、大きな間違いや。
死ぬ事を思ったがゆえに、死ぬで無し。又、死の話を聞いたがゆえに、死ぬで無し。
(しかしながら)聞かずにいたら、長生きするでも無い。
・・本当に死ぬ事が知れたら(理解できたら)、毎日、勇んで(元気に)日々が送れるんや。」と。
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