住職のつぼやき[管理用]

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良いニュース

 20年ほど前に、バイク事故で息子さんを亡くされた檀家さんがある。
 お参りの度に、お父さん、お母さん、お兄ちゃんの顔を見るのがつらかった。
 あれから、20年近く・・。
 お父さん・お母さんもお歳を取られた。今では、もう一人の息子さんも結婚され、孫も二人いる。
 今日、そのお家にお参りに行って、嬉しい?というか(少なくとも僕は嬉しかった)、そんなニュースを聞いた。
 「住職さん、この頃、落ち着いてきた事もあって、夫婦でよく一泊旅行に行くのです。その時、旅先で、亡くなった息子の話が、ようやく出来るようになりました。・・孫も死んだ息子に似て来ましてね、そんな話もするんです。・・嫁には言いませんけど。」と。
 僕は思わず「良かったですやん!これまで長い歳月だったでしょうねぇ。お気持ちお察し致します。・・これからも、ご夫婦であちこち行かれて、息子さんの思い出話をして下さいね。きっと、お浄土の息子さんもそれを喜んで聞いておられると思います!良かった、良かった。」と、思わず嬉しくなって言ってしまった。
 ご仏壇の遺影の前で『良かった!』を連発して、申し訳なかったが、元気を取り戻され、本当に良かったと思った。
 奥さんも「息子の話が出来るまで、20年かかりました。歳月は大事ですね。」と涙ぐんでおられた。

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