住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「安居院 聖覚法印さま」(その10)

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又、聖覚さまには、こんな伝説があります。
 ある晩、聖覚さまは所用の為、京都から大津の石山寺に向かって歩いていました。
 その途中、[紫式部(むらさきしきぶ)]の亡霊に、呼び止められたのです。

(紫[ムラ]ちゃん) 「申し、もうし、聖覚様。わたくしは『源氏物語』という好色な(どうやら、当時はそんな風に考えられたらしい・・ムフフッ)物語を書いた罪により、地獄へ落ちてしまいました。・・どうか、私を助けてたもれ。」と。

 もうちょっと詳しく言うと、この当時、狂言・戯言などを書いた人間、又、それをを読んだ人達は皆、地獄へ落ちると考えられたのです。

 聖覚様は「わかりました。私が何とかしましょう。」と、(この時は、法然上人に頼まず)答えたのでした。
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 そして聖覚様は、[紫式部]やこの物語に縁のある人々を、供養するために、『源氏表白』という、お経を称える前に唱える[表白文(ひょうびゃくぶん)]を作ったのでした。
 『きりつほの(桐壷) ゆうへのけむり すみやかに・・・、』と始まる、この『源氏物語』の登場人物の名前が盛り込まれた『表白文』。(『イロハにほえと・・』みたいな名文)
 この功徳によって、紫式部の罪は許され、お礼に聖覚様の前で舞いをまって、極楽へと昇っていかれたそうです。(・・という事は、聖覚さまも『源氏物語』を読んだんやな・・ムフフッ) つづく(次回、最終回)

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