住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「妙好人 大和の清九郎(前編)」その5

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 そして、いよいよ妻『まん』の容態は悪くなり、今夜がヤマだという、その時です。
 ムシの知らせか、仏様の御計らいか、酔っ払った清九郎が、フラッと帰ってきたのでした。
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 苦しい息のした、切々と妻は訴えました。
「お前さま、お念仏に結ばれたお互いの縁。
 私は、お浄土の国で待っていますから・・。
 どうぞ、間違わない様、阿弥陀さまの道を来て下されや・・、南無阿弥陀仏。」と言って息絶えました。
 
 ・・その突然の別れに、酔いの醒めた清九郎は、
「おぉっ・・、おまんや!。
 目をもう一度、開けておくれ。
 わしが悪かった!許しておくれ。
 どうか、どうか、目を開けておくれ。
 おまんや・・、二度とお前に苦労を掛けんから。
 目を開けておくれ。」
 と、清九郎は泣き続けました。
 
 この時期から、[仏の清九郎]へと生まれ変わるのです。
[前編]おしまい
 後編へ続く

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