浅原才一さんは、昭和七年一月十七日83歳にて往生されます。
才市さんは、お念仏に生き、お念仏の詩を作り、下駄職人として、一生を終えられたのです。
才市さんは、貧しい生活の中でも、いつも阿弥陀さまと一緒でした。
下駄を作りながら、いつも阿弥陀さまと心の中で会話をされていたのです。
それでは、最後にもう一つ、才市さんの阿弥陀様との会話を表した詩を紹介して、この長い紙芝居を終わりたいと思います。
『ありがたいな。ご恩思えば、みなご恩。
「これ才市、何がご恩か?」
へぇ、ご恩がありますよ。
この才市も、ご恩でできました。
着物も、ご恩でできました。
食べ物も、ご恩でできました。
足に履く履物も、ご恩でできました。
その他、世界にあるもの、皆ご恩でできました。
ちゃわん、箸まで、ご恩でできました。
ひき場(仕事場)までも、ご恩でできました。
ことごとく、みな、ナムアミダブツでございます。
ご恩うれしや ナムアミダブツ。』
おしまい