住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居事始め

今回は、私がなぜ『仏教紙芝居』を作るようになったのかを書かせていただきます。
題して『紙芝居事始め』のはじまり、はじまり~。
 《 むかーし、昔といっても・・平成8年。
 或るところといっても・・大阪は西成区に『白寿苑』という特別養護老人ホームがあったそうな。
 ここの施設長は、仏教的な癒しの力を、とても評価していた。
 ある時、施設長は考えた・・。「この頃、うちのお年寄り達は、夜になってもよく眠れんと言っておる・・。おおっそうじゃ、確かうちに毎月ボランティアでやって来るあの《宮本》という若者(本当は中年)は、自分を坊さんだと言っておったなぁ。よし、一度あの男に、うちで『法話会』を開いてもらうように頼んでみよう。年寄り達はきっと、仏様の話を懐かしく聴いて眠れるようになるに違いない」と。
 そこで、すぐに施設長は、その男に訳を話してみた。
 男は「それはうれしい!仕事冥利につきるわい」と言ってすぐさま引き受けた。
 しかし・・、困った事に施設の中では、目の悪い方や、耳の遠い方がたいそう多かったんじゃ。それでなかなか、仏法の話がうまく通じんかった。
 それで、この男は「そうじゃ・・、大きな紙芝居を作り、それを使って、仏様の話をさせてもらおう。きっと年寄りたちは懐かしく思って話を聴いてくれるに違いない。目が悪くても、耳が遠くても、ゆっくりお話をさせてもらい、仏様の教えをそこから味わってもらおう・・」と考えた。この坊さんは、絵を描くのが好きだったので、それが苦にはならんかったんじゃな。
 ・・・それからというもの毎月、毎月この坊さんは、紙芝居を作って、そこの施設で法話会を開いたそうじゃ。
 そして、お年寄り達は、毎月開かれる、その『紙芝居』の法話会を楽しみに集まり、いつしか、夜もよく眠れるようになったという事じゃ・・。めでたし、めでたし・・・。》
 
 

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