このような数々の逸話を残した庄松さんでしたが、明治四年の春、七十三歳で病の床についてしまいます。
病名は胃がんでした。
さて、これは庄松さんの臨終間際のエピソードです。
「あぁっ苦しい、あぁ苦しい」とばかり言う庄松さんを見て、一人の友人が見るに見かねて言いました。
(友人)「庄松、お前はこの場におよんで、一度も念仏を称えんのぉ?」と。
すると、庄松さんはぎょろりと目をむいて、「苦しゅうて、称えられるかっ!」と、答えたそうです。
又その後、家族の居ない庄松さんを心配して、
(友人)「庄松、心配すんな。お前が死んだら、皆でお墓を建ててやるからな。」と友人が言うと、
(庄松)「おらぁ、死んでも石の下にはおらんぞ!」と、言い切ったそうです。
確かに、庄松さんは、死んで石の下に居るような人ではありませんでした。
きっと、阿弥陀様に包まれて、間違いなくお浄土に還ったに違いありません。
明治四年三月四日、庄松さん往生。法名『釈 正真』。
おわり
(小砂(こざれ)の庄松さんの墓)
今も、庄松さんの自宅跡といわれている〔小砂〕の地に、庄松さんの立派なお墓が建っています。
(庄松さん自宅跡に建つ説教所)
では最後に、一曲。・・庄松の~お墓の前で~、泣かないでくださいー。ここに庄松はいません~、眠ってなんか居ません~・・・。合掌
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