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社団法人 大阪中国帰国者センターへの出前

 昨日、大阪市東淀川区にある『社団法人 大阪中国帰国者センター(井高野交流クラス)』へ、お寺の出前に行って来た。
 そもそも、このセンターは、どのような目的で設置されているのか? それをこちらのホームページから(勝手に)抜粋しながら説明させて頂く。
《設置目的》
 中国残留邦人の肉親探し、帰国援護、日本語教育、生活相談等を行うことにより、(帰国者の皆さんの)社会的自立、又福祉向上を図ることを目的としている。
 又、その他の地域支援事業のプログラムとして、日本語再学習やパソコン教室なども開講している。
 ・・それでは、この文章に記載されている『中国残留邦人』とはどのような御方なのか?・・もうちょっと説明します。
《中国残留邦人とは?》
 戦前、中国東北地区(旧満州地区)には、多くの日本人開拓団が存在していた。・・が、ソ連軍の対日参戦によって、多くの成人男子が日本軍に参戦し、後に残されたのは、老人・婦人・子供が主体となる。
 やがて敗戦となり、これらの残された(老・婦・子の)日本人達は、居住区を追われ、避難する途中、或いは酷寒の難民収容所の中で、飢餓や伝染病によって多くの命が失われることになる。
 このような状況の中で、生活手段を失い、中国人の妻となるなどし、中国に留まったご婦人や、又、家族と生き別れ死に別れで孤児となり、中国人に引き取られ、身元の解らないまま今日を迎えた人々を《中国残留邦人》と呼ぶのである。

 こちらのセンターでは、上記に説明したような中国からの帰国者邦人の方の「交流会・学習会」を行うのである。
ファイル 1059-1.jpg(通訳をして頂いてます)
 前書きが長くなったが、こちらのセンター職員さんから僕に、「日本の歴史・文化を知る為には、仏教(寺院)を学ぶことが、一番の手っ取り早い方法だと思うのです。・・しかし、それはとても難解なことでもあります。そこで、紙芝居を使って(仏教を解りやすく)話されると貴方に、白羽の矢が(こんな表現はされてないが〔笑〕)当たりました。・・で、出前に来て下さい。中国語訳をする助手も付けさせてもらいますので・・。」と、いうことで、今回の出前訪問となったのである。(・・あ~~、ここまで書くのがなんと長くなったことか。後は流します。)
ファイル 1059-2.jpg
 と、いうことで、僕は(前半は)通訳つきで、各宗派の祖師方の生涯を簡単に説明。(空海師、最澄師、道元師・・エトセトラを説明してゆくと、聴衆の方から「なんや、みんな中国に行って学んだんや!」と(これも通訳を通して)感想が出た。仰るとおりでございます。〔笑〕)
 そして、中ほどは、中国でも有名なお話「そんごくう」などを『紙芝居』で演じた。(皆さん、僕が演じている最中でも、中国語であーだこーだと(笑顔で)大変饒舌に会話が弾んでおられた。懐かしかったのかなぁ。・・でも紙芝居は通訳つきなので、いつもの倍の時間が掛かったわ。)
 そして、後半は、質疑応答の時間。(こちらも、「なぜ、お線香を焚くのですか?」とか、「お焼香は何回するのが正しいのですか?」とか、お葬式の時の作法を中心とした質問が多かった。)
ファイル 1059-3.jpg(記念写真)
 そして、最後は皆さんと一緒に「記念写真」。僕もたいへん良い勉強になりました。 
 中国帰国者邦人の皆様、職員さま、通訳さま、大変お世話になり有難うございました。
 最後の皆さんの言葉、「今、口にはしませんが、尖閣諸島問題が起きて、日本と中国の二つの祖国を持つ私たちは、大変心が苦しいです。・・何か私にできることがないかを考えてもいるのですよ。・・はやく解決して欲しいです。」と云われたことが、今も心に深く残っている。合掌
 

コメント一覧

miaomiao Eメール 2013年03月01日(金)00時09分 編集・削除

27日は、本当に有り難うございました。
偶然ネットで見つけた「お寺の出前」に、あつかましくお願いのメールをいたしましたが、快くお受けいただき、遠路お越しいただきました。
楽しい仕掛けがいっぱいの紙芝居で、みんな、すぐに、ご住職の演じるお話の世界に引き込まれていきました。
大いに笑って、楽しい時間を過ごさせていただきました。
来週の交流会では、「共命鳥」の話を紹介したり、「幸せ」について話したりしたいと思っています。
いろいろなことを考えるヒントやきっかけをいただきました。心より感謝いたします。

カンネン亭 2013年03月01日(金)12時12分 編集・削除

こちらこそ、お世話になりました。
又、皆様とお出会いできますことを、心より願っております。 合掌

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