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紙芝居:『幸福の王子』 〔前編〕

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 〔つばめ〕は、暖かい国に行く途中でした。
 「今日はここで泊まるとしよう・・」と、〔つばめ〕は〔王子〕の両足の間に静かにおりて、翼を休めました。
 するとポツーリ、ポツリと水滴が落ちてきました。
 「あれ、雨かな?」と〔つばめ〕が上を見ると、なんとそれは〔王子〕の目から溢れ出た涙だったのです。
 「あなたはいったい誰ですか?」と〔つばめ〕が聞くと、「私は『幸福の王子』だよ」と答えが返ってきました。
 「幸福の王子ですって!?・・それなら、どうしてそんなに泣くのですか?」と〔つばめ〕が不思議そうに聞くと、〔王子〕はこんな話を始めました。
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「私はまだ生きていた頃、《涙》とはどういうものか知らなかった。宮殿に暮らしていた頃は、毎日が楽しく踊って暮らしていたのだ。宮殿の周りは高い塀がめぐらされ、外の世界がどうなっているのか考えて見たこともなかった。
 それ程私のまわりは美しいものばかりだった。(おシャカ様の青春時代と一緒や・・)
 確かに私は幸福に暮らし、幸福に死んだ。
 ところが、町の人々が、そんな私をこんな高い所へ立てたのだ。
 その為、私は町中の悲しみが、何もかも見えるようになってしまったのだ。こうなってはいくら私の心臓が鉛であっても泣かずにはいられないじゃないか・・」
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「つばめよ、つばめ。小さなつばめ。あの家を見てごらん。子供が病気だというのに、薬を買うお金もないのだ。・・どうか使いを頼まれてはくれないか?私の剣から〔ルビー〕を取ってあの家に持って行っておくれ」と〔王子〕は言いました。
 その〔王子〕の優しい気持ちに〔つばめ〕の心は打たれました。
 そこで〔つばめ〕は〔ルビー〕を咥えると、看病に疲れ、うとうとしている母親のそばにそっと〔ルビー〕を置いたのでした。
 目が覚めたら、どんなに母親は驚くでしょう。
 そう考えたら〔つばめ〕の体はポカポカ暖かくなってきました。
「〔王子〕さま、不思議です。どうしてこんなに寒い夜なのに体が暖かくなるのでしょうか?」と言うと、
〔王子〕は「それは君が良い事をしたからだよ」と答えました。
 つづく・・。
 
 


 
 
 

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