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紙芝居:「善導大師物語」(中編)

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 善導さまの〔悟真寺〕での修行は、長くそして命掛けでした。
 ご本尊の〔阿弥陀仏〕の前で念仏を称える時は、跪(ひざまず)き一心に称えました。
 それは、寒い冬でも汗が流れ落ちるほどであったそうです。
 又その間、一度も布団に入って眠ることをせず、修行に疲れたらその場で倒れ込んで休み、又、目覚めれば念仏を開始するという24時間ぶっ続けの行でした。
 それをなんと30年間続けたそうです。(修行の鬼ですなぁ。)
 今や、善導さまの髪や髭は超ロングになり、衣もボロボロになっておりました。
 しかしながら、それでも善導様の心に、平安はもたらされませんでした。
 「・・ダメだ。結局、私は自力で悟りを開くはできないのだ。・・やはり、私は阿弥陀さまのお慈悲に縋って救って頂くしかない。」と、善導様は(ようやく〔笑い〕)この時、『自力』を捨て『他力』に縋る決意をしたのでした。(長いこと掛かったなぁ・・。)  
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 そして又、お寺を移り、今度は〔光明寺〕というお寺に入りました。
 ここではもう、善導さまは厳しい修行はされません。
 尋ねて来られる信者さんにも修行を勧めず、『阿弥陀仏の救いのお話』を、ただただ話されたのでした。
 そして、何事に徹底されるご性格でしたので、空いてる時間で『阿弥陀経』というお経の『写経』を開始され、なんと十万巻も書き写し、信者さんたちに配られたそうです。(どこまでも徹底してはる人なんやなぁ・・。)
 又、極楽浄土の絵も書き写そうと決心され、なんと300枚も描かれたそうです。(『絵解き説法』の力を信じておられたんや。ははぁ~、おっ師匠さま!)
 その成果あって、長安は云うに及ばず、近隣・遠方を問わず、たくさんのお方が連日、お参りにお寺にやって来られることになりました。又、お念仏を称える人が倍増したそうです。
 善導さまは云われます。
「文字は読めなくても、悩みを抱いた人でも、ただ念仏を称えるだけで阿弥陀さまに救って頂けるのですよ。・・それだけで極楽に生まれさせて頂けるのです。さぁ、皆さん、念仏申しましょう」と。ファイル 919-3.jpg
 そんな或る日、一人の信者が、善導さまに質問されました。
 「先生、お念仏さえ称えたら、必ず極楽に生まれることができるのですね?」と。
 「そうです。念仏を称えるだけで、必ず極楽に往けるのです」と、善導さまがお答えになると・・、
 「そうですか!では、今すぐ・・」と言うや否や、その信者はフラっと、お寺を出て行き、庭の高い木に登ったと思うと念仏を称え、
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 あっと言う間に、飛び降りました。
 そして打ち所が悪く、死んでしまったのでした。
 「たったったいへんだー、善導さまー! 男が木から飛び降りて死にましたー。」とすぐに知らせが入りました。

 「なっなんですと、馬鹿なことを!・・お念仏を称える解釈が間違っている。
 阿弥陀仏の国へ往けるからといって、急いで命を絶つのは間違っています。 
 阿弥陀さまに救いにふれて、お念仏が口から出た時、その有り難さに(生かせされていることに)気づき、自分や周りの生き物すべての命が尊いと、感じねばいけないのです。
 その事をこの人は、気づかなかった・・。」と、善導さまはつぶやき手を合わされました。
 このような間違った解釈をして、自らの命を絶った人はたくさん居られたと伝わっています。 つづく