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紙芝居:「讃岐の源太夫!」 〔中編〕

 そして〔源太夫(げんだゆう)〕は、お寺の和尚さんに対し、「悪人でも救ってくれるという《仏》がいるというのは本当か?!」大声で叫びました。
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 和尚さんは、目をパチクリさせて驚きながらも、
「そうだ、本当だ。いかにも罪深い者でも〔阿弥陀仏〕という仏様は、みんなお救い下さるのだ」と答えました。
 すると源太夫は、
「嘘は言うまいな!・・・・・・すると、このワシも救ってくれるというのか!」と、詰め寄りました。
 村人達はどうなることかと、ハラハラして見ておりますと、和尚さんは、今度はゆっくりと、
「そうだ、お前のような悪党だって、阿弥陀仏様のお慈悲はもらしはしない。」と言いました。
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 そこで源太夫は、今まで持っていた獲物を投げ捨てて、
「・・それならワシは、その阿弥陀さんとやらに会ってみたいと思うのだが、いったいどこに行けば会えるのじゃ?」と尋ねると、和尚さんは、
「阿弥陀仏さまは、ここから西の方、遥か彼方の《お浄土》という所に居られるから、西に向かって声の限り阿弥陀様を呼んでみるがよい。
 そしたらきっと、その呼び声に答えて返事してくだされよう。」と言われました。
 すると源太夫は、「よし、わかった。」と言って、そこを立ち去ってゆきました。
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 そのあくる日、源太夫は、髻(もとどり)を切り落として、どこでどう手に入れたか、身に白装束を羽織り、手に小さな鉦を持って、朝早く自分の家を旅立ち、西に向かって歩き始めました。
 そして、鉦をチンチン鳴らしながら、大きな声で、
「阿弥陀さんよぉ~、アミダさんよぉ~~!」と叫び続けながら、一筋に歩いて行きました。
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 山を越え、川を越え、ひたすら西に向かって、何日も何日も歩きました。
 そして、とうとう岸壁に出ました。
 もう行けません。
 ところが岸壁に、海に向かって一本の大きな木が出ていました。
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 そこで源太夫は、その木に登って、行けるところまで進みました。
 下は海です。
 そして源太夫は、その木の枝の股の処に座って、懸命に鉦を鳴らし、西に向かって、
「阿弥陀さんよぉ~、アミダさんよぉ~~!」と叫び続けました。
 つづく