住職のつぼやき[管理用]

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火葬場の老職員

 世の中には、色々な性格の『火葬場』職員がいるものだ・・。
 おととい、遠方の「お葬式」執行に行って来たのだが、そちらの○○市営斎場の〔老職員(推定年齢:70歳ぐらい)〕には驚いた。
 まったくやる気が無いのか、俺の仕事はこんなもんやと思っているのか・・、つまり不親切なのだ。
 ボ~ッとつっ立ったまま何も言わず、自分の仕事だけさっさとやって、立ち去ってしまう。
 つまり、こうだ。
 焼かれた御遺体のお骨を、皆で箸で拾い集める作業を「収骨」というのだが、・・だいたい、亡き人のその変わり果てたお姿を見た瞬間、親族は動揺してしまう。
 その動揺してストップしている頭脳に、スイッチを入れ、動かしてくれるのが、『火葬場職員』なのである。
 この○○市営老職員、自分だけ箸を持って来て、何も言わず『のぼ仏』のお骨を捜して『骨壷』に入れ、「後は、足元から順に骨を入れてや。」と言ったまま、立ち去ってしまうのである。
 皆はそう言われて、あわてて集まり、ぎこちなく順にお骨を入れていった。(一緒に立ち会った僕がしょうがないので、細かく指示させてもらったが、職員に嫌な顔をされた)
 そしてこの職員、最後に指で皆に集まるように指示するので、何か言ってくれるのかと思っていたら、「箸を返してや」だけ言って出ていった。・・・終りである。なんじゃ、こりゃ!
 でも、ここで怒ったら場がしらけると思って、ぐっと我慢して、式場に戻り、「還骨勤行・初七日勤行」の後、皆に僕はしゃべった。
 「あの職員さんの、(収骨の)説明不足の処をちょっとだけ、今補足させていただきます。・・」とお話した。
 その時の親族の皆さんの顔、「フンフン」と微笑みながら聞いてくれていたので、やっぱりみんな同じこと感じていたんやと思った。
 最後に、「よっぽど僕は、あの老職員さんの後ろで『一刻堂』さんみたいに、腹話術をして、収骨の仕方をお伝えしようかと思ったのですが、そんな大人げないことしたらあかんと思って我慢しました。・・ほんま、ドリフの『いかりや長助』さんじゃないけど、『だめだ、こりゃ!』と心の中で叫んでいたんですよ」と言ったら、式場は爆笑で拍手までして頂いた。
 でも葬式場で、坊主が親族に拍手してもらうとは、僕も『だめだ、こりゃ!』

 最後に、テレビCMで『劇団四季の「オペラ座の怪人」は凄いらしい!』というのがあるが、僕はこれから、あそこの火葬場に行く人に言ってやろう!
 『○○市営斎場の老職員は凄いらしい!』と・・。

 

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