「私、〔エエ話〕と〔悪い話〕の二つを、今日持って来ましてん。・・聞いてもらえますか?」と、最近、檀家さん宅へお参りの度に、(読経後、)お茶をよばれながら話している。
『聞かなしゃあない』ような雰囲気で僕はしゃべる為、檀家さんは哀れんで聞いて下さる。
「・・で、最初は悪い話。うちの番犬が亡くなりましてん」と、一部始終、犬が倒れてから死ぬまでの話をして、その後、
「今度は、エエ話。・・テレビ局が、先日取材に来ましてん。こんど僕、テレビに映りまんねん」と話す。
こすい僕は、その両極端な二つの話をしながら、檀家さんの顔色の変化を見ている。
悪い話には、「犬は人間よりも寿命が短いですからねぇ」と、悲しそうに相づちを打ち、慰めて下さり、
良い話には「今から放送日を楽しみに待ってまっせ」と、カレンダーに〇をつけて喜んでくださる。
ほんまに、仏教教義に関係のない、他愛もない話なのだが、このこちらから発信する小さな〔話題〕が、檀家さんと僕の距離を又一つ縮めてくれているような気がする。
難しい話よりも、みんなが共感できるような話題(感情が揺さぶられるような話)を、これからも見つけ、発信してゆきたいと思う。
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