『閻魔様のエンマ帳』(プロローグ) 〔仏教もの29〕
〔プロローグ〕
閻魔(エンマ)様のインド名は《ヤマ》といい、人類最初の人間であった。
《ヤマ》は、天界に楽土を作り、そこの王様として平和に暮らしていた。
ある日、そこに大勢の人間がやって来て楽土の平和を乱した。
《ヤマ》は、それ等人間に対して秩序を訴えたが、誰も女性のような柔和な顔の《ヤマ》の言うことなど聞かなかった。
そこで《ヤマ》は考えた。
自分の顔を恐ろしく作り変える事によって、悪人どもを従わせようと・・。
やがて、お堂に籠り、鏡の前で化粧をして、さらに訓練し、恐ろしい顔に変わることが出来た。
それからというもの、誰も《ヤマ》に逆らおうという者はいなくなった。
そして《ヤマ》は、地下に〔地獄〕を作り、罪を犯した者を送り込む《裁判官》に自らなろうと決心した。(屈折した性格のお方・・やねぇ)
・・やがて〔地獄〕は完成し、《ヤマ》は〔天の王国〕を捨て、〔地獄の王〕となり、罪人を裁く《大王》となったのである。
つづく・・・
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