やがて、「是非、吉兵衛さんのお話が聞きたい!」という、悩みを持つ多くの人が、吉兵衛さんの回りに集まってきました。
それらの人々に、吉兵衛さんは《生きる》意味について、次のようなお話をされています。
「今日の日は、わが(自分の)人生に、もう一遍、暮らし直し(やり直し)ができん。
《また(二度と)と無い日》やと思って、味おうて暮らしておくれや。
朝が昼となり、昼が晩となる。片時も同じところに、じっとしておらんのや。一息、一息、放り出されているのや。」と。
このように、吉兵衛さんの言葉は人々の心を癒していきました。
そしてその言葉は、感銘を受けた人々によって、やがて『物種吉兵衛語録』として、記録され残されることになるのです。つづく