或る日のことです。
隣町のお寺の住職から、庄松(しょうま)さんは、呼び出されました。
(偉そうな住職)「庄松、今から檀家にご法事に行く。だからお前は、〔法衣〕と〔お経さま〕を持って付いて来なさい!」と、住職は庄松さんに荷物持ちを命じました。
庄松さんは、「へい、承知しました」と、二つ返事で引き受け、ひょこひょことついて行きます。
そして、檀家宅に着き、玄関から入る住職でしたが、庄松さんも一緒について来ようとしました。それで・・、
(住職)「これっ、庄松!お前は身分が低いから、裏口から入りなさい!」と言うと・・、なんと、
(庄松)「わしは身分が低いが、〔お経さま〕は住職より尊いぞ!・・だから、それを持っとるわしも尊い!」と言って、ズカズカと住職を追い抜いて、玄関から先に入って行きました。
(住職)「こりゃ、理屈じゃ負けじゃ・・。」と言って、住職は笑いながら後から入って行ったそうです。 つづく
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