住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『泳げ!夢応の鯉魚』(その2)

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そんなある日の事。
興義は重い病気になりました。
そして、あっという間に亡くなってしまいました。
ただ、その遺体は息はしていないのですが、胸のあたりがまだ暖かいのです。
それで、弟子達は不思議に思い、埋葬せずに大事に寝かしておきました。
すると、三日目に・・・、
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突然、興義は息を吹き返し、布団から起き上がり、弟子達にこう言ったのです。
「おい、誰か!今すぐ、檀家の平(たいら)の助(すけ)殿の屋敷に行って、皆に『今すぐお寺に来てくだされ』と伝えてはくれんか!」と言いました。
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「急に何事ですか!?この宴会の途中に・・」と言って、平の助殿の皆は弟子の知らせを受けてお寺に集まりました。
そして、布団の中で興義はまず、皆に無礼を謝りこう話し出したのです。
「皆様、今から私は突拍子もない事を申しますが、どうかお許しください。
最初に・・平様、貴方さまは本日、宴会の為に、漁師から大きな金色の鯉を買われたのではありませんか?」
「ああ、はい。その通りでございます。」と不思議そうに答えました。
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そして興義は言い続けました。
「・・その鯉が来た時、お二人は囲碁をされ、もう一人は桃の実をかじりながらそれを見ておられた。」
「はい、全くその通りです。金田一興義探偵。」
「そこへ料理人が包丁を持って『おお、これは立派な鯉じゃ!お刺身にしましょう。』と言われた。・・そうですね。」
「はい、その通りです。でも何故?あなた様はまるで見た来たように知っておられるのですか?」
「その訳を今から、お話ししましょう。実は・・」つづく

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