そこに気がついた一人の衛生士がいた。
名前を[ソーパー]といった。
ソーパー衛生士は、「・・勤め先の家族全員がチフスにかかっているのに、なぜ?いつも彼女だけが感染しないんだ?・・ひょっとすると、彼女はチフス菌の保菌者で、料理によって皆を感染させていたのかもしれん・・。メアリー・マローン。一度、調査してみるか?!」と思った。
そして、彼女の職場を訪ねた。
「ごめん下さい。私は衛生局から来た『ソーパー』というものです。
ひょっとすると、あなたはチフス菌の健康保菌者かもしれません。
調査の為に、あなたの尿と便を頂きたい。」と、突然やって来て尋ねたものだから、メアリーはパニックになった。(・・余談ながら、まだ検便・検尿など無い時代です。)
「なんですって!?私の尿や便が欲しい!この変態オヤジ!帰れ!」と、怒り狂い[肉刺しフォーク]を振り回して、追い返した。
そこでソーパー衛生士は、次に女性の衛生士を派遣することにした。
しかも、前回のことがあったので、警官を数名ボディガードにつけての派遣であった。
案の定、メアリーは暴れて抵抗した。
が、最後は警官に押さえつけられ、救急車で病院まで連れて行かれた。
この時、メアリーは37歳。
1907年の事であった。 つづく
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紙芝居:『無症状感染者 チフスのメアリー』(その3)
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