鬼の名前は、[足疾鬼(そくしつき)]と云いました。
鬼は、お坊さんたちの前に出て来て言いました。
「お願えでございます。あっしにも、お釈迦様のお骨(舎利)を見せてくだせえ」と。
そこでお坊さんたちは、一つの容器を取り出して来て、言いました。
「これはなぁ、お釈迦様のお口の中の[歯]の舎利じゃ。たいへん尊いものじゃぞ。持っておれば幸せになれるという、貴重な物じゃ。大切に見てみろ・・・⁉あっ!」
というや否や、鬼は歯の容器を持って逃げ出したのです。
「俺も幸せになりたいんじゃ!あばよ!!」と。
その足の速いこと、速いこと!
足疾鬼は、鬼の中でももっとも足の速い鬼だったのです。
「たったっ大変だ!誰か、何とかして鬼を捕まえてくれー!
あの速い鬼を捕まえることが出来る者は⁉
そうだ、韋駄天(いだてん)だ!」 つづく
(泉涌寺『舎利殿』内 韋駄天像)
[管理用]
記事一覧
※画像をクリックすると拡大されます。
紙芝居:『走る!韋駄天(いだてん)』(その2)
トラックバック
- この記事のトラックバックURL
https://o-demae.net/blog/diary-tb.cgi/1937