それを聞いて、兄弟子は平然として答えました。
「お前はまだあの娘に触れているのか?
私はとっくに下ろしたぞ!」と。
それを聞いて、弟弟子はハッとしました。
『そうなのだ・・。
女性に触れ続けていたのは私の方だ。
兄弟子は、もうとっくに女性を離しておられる。
こだわっていたのは、私だ。
・・兄弟子は日頃より、(戒律)規律の大切さを分かっておられる。・・が、それに縛られることなく、目の前の苦しむ人を助けられた。
規律より大切なものが、そこにあったのだ!
・・あぁ、私は執(とら)われていた。
もっと自由な心で、修行せねばいけないな・・南無仏、南無仏。』と、若い僧はこころでつぶやきました。
そして、二人の僧の旅はさらに続いてゆくのでした。
おしまい
(終わりに)
さて、我々は自分で決めた物事にとらわれ過ぎ、自由に動けなくなりがちです。
目の前の本当に大切な事を、見失っていないか考えてみることも必要かもしれませんね・・。
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紙芝居:「執(とら)われざる者~二人の僧侶の話」(その3最終回)
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