住職のつぼやき[管理用]

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朝日新聞記事『お坊さまは、紙芝居師』

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 昨日の朝日新聞朝刊の[大阪版]に載りました「お寺の出前」の記事を、(原文をそのまま、・・そして私の心の声(つ・ぼやき)を交えながら)載せさせて頂きます。
 題して、『お坊さまは紙芝居師』。(・・これって『奥様は魔女』のもじり?・・いっそのこと、『探偵はバーにいる』みたいに、『坊さんは老ホーにいる』でも良かったか。・・いやいや、『謎解きはディナーの後に』に掛けて、『紙芝居は夕飯の後で』もありか?!・・いやいや、『極楽は晩ごは・・』、もうやめとこ。)
 はじまり、はじまり~。
 
『9月のある日、大阪市西成区の特別養護老人ホーム白寿苑1階の広場に、河南町にある観念寺の住職、宮本直樹さん(53)が袈裟姿で現れた。
 紙芝居の前には、入所するお年寄り15人が座る。(記者さん、参加人数勘定してはったんや。)

「むかし、むかし、インドのある小さい国にひとりの若い王様がおりましたーー」。この日読んだ紙芝居は『王様と老人』。老人の知恵が国を救い、老人は役立たずと考えていた王様が改心した、という話だ。(この話は、日本の姨捨伝説の元になったお経の話です。)

 10分間の上演を終え、宮本さんは語りかけた。「『年をとったらあかんねぇ』ではなく、若者や老人が話し合えば大きな問題も解決できると思うのです」

 話にうなずいていた女性(93)は「いつも楽しみ。気持ちのいい心になります」。
 別の女性(87)は、「紙芝居の前後に町中の話も聞かせて頂けるのでありがたい」。
 紙芝居がきっかけで宮本さんに悩みを打ち明ける人もいるという。

 宮本さんは大阪市城東区の酒屋の長男。
 信心深い祖母の寺参りについていくうち、手を合わせる人の穏やかな表情に引きつけられるようになった。
 仏道に興味をもち、家業を継ぐのを条件に仏教系の大学に入った。
 
 卒業後、父の仕事を手伝ったが、「客を奪うのが苦手で、ようせんかった」。
 そんな時、檀那寺が人手不足になった。
 住職の資格を取って寺を手伝うと、終末期ケアのボランティア活動にのめり込んだ。病院で「仏様の話が聞きたい」と言って亡くなった祖母を思い出した。

 福祉施設から法話を頼まれ、楽しく聞いてもらおうと紙芝居を始めた。
 初めて作ったのは芥川龍之介の『蜘蛛の糸』。
 高齢者が見やすいように、原色を使いフェルトペンで縁どりした。

 それから15年余り。(正確には17年)
 心を動かされた昔話やお経の話、人物伝を紙芝居に仕立てる。依頼があれば、紙芝居を持って、府内の福祉施設や病院をまわる。
 今ではボランティアでの活動と、他の寺院での披露が半々で、月10回近く。年内の予定はすべて埋まっている。
 
 宮本さんは「ただ好きでやっているだけです。『また楽しみにしています』と気にかけてくれるのがうれしくて。私の知らない戦争体験などを教えてもらうことも多いのです」。

 白寿苑で披露した晩、車のハンドルを握り、1時間かかる河南町に帰っていった。』(文責:五十嵐聖士郎記者)

 ・・以上。素敵な記事をありがとうございました。合掌

 
 

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