住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「出家とその弟子(第二部 唯円房の恋)」 その3

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(唯円)「ただ今、帰りましたー。」

(老僧)「唯円殿、あなたを待っておりました。・・あなたはいったいどこに行って居られたのですか?
 先ほど、遊郭の女将(オカミ)が、エライ剣幕でお寺に来られましてな、『〔かえで〕はどこに居る?!・・唯円はどこじゃ!』と、大きな声で喚き散らし、散々悪態をついて帰ってゆきました。
・・あなたは、その〔かえで〕という遊女と本当に逢っていたのですか?」

(唯円)「はっはい。・・それは本当でございます。」

(老僧)「なななっ、なんとぉ、では、あなたは私たちに嘘をついて、外出していたのですね!・・ちょっと、奥の部屋にいらっしゃい!」
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(老僧)「唯円殿、気をつけてもらわねば困ります。
 そなたはまだ若い。遊びたい気持ちは解りますが・・、」
(唯円)「いいえっ、私は決して遊びではございません。
 私は真剣に、あの女子(オナゴ)を妻に迎えたいと思っているのです!」

(老僧)「唯円殿、その女子は遊び女ですよ。あなたは騙されているのです。」
(唯円)「いいえ、彼女は確かに遊び女ですが、心は純潔な女子です。・・仏様の話を好みます。 私は彼女を信じております!」

(老僧)「そこまで言うなら、なぜ、あなたは私たちに嘘をつかれた。 私はあなたの言うことが信じれません。 
 唯円殿、悪い事は申しません。その女子と別れなさい。
 もし、あなたがその女子と別れないのなら、・・私たちがこのお寺を出てゆきます!」

(唯円)「えっ!・・しかし、私は〔かえで〕と別れる事はできません。
 あなた方は、私と〔かえで〕さんの事を知らないんだ!!」

(老僧)「そうですか・・。仕方がありません。私は申すことだけは申しました。・・それでは、今から私たちは〔お聖人〕にお別れを言って出てゆきます。」
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(唯円)「あぁぁぁっ・・、なんと言うことだ! 私はいったいどうすれば良いのだ。 
 恋がこんなにつらいものだとは思わなかった!
 お師匠さまは、確か、恋とは《罪》を作るものだとおっしゃっておられた。・・・このような事だったのか!
 あぁっ、仏さま! 私は何も解りません! 
 今、私がやってる事は、悪い事なのでしょうか?!
 どうか、慈悲深き仏さま、私をお救い下さい!! オオッ、ママ、ママ~~(by昭和GSソング)。」

 唯円は、一人部屋の中で泣き続けました。・・さぁ、どうなる?親鸞(聖人)ファミリー? つづく

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