僕は、〔ご法事〕の読経に行かせてもらう時は、たいてい大きなカバンを持って出向いている。
カバンの中には〔お経〕の本がたくさん入っているのである。
それは、皆さんと共に〔お経〕をご一緒に称える為である。
・・で、これはこの前の日曜の〔ご法事〕のエピソード。
この日も、大きなカバンを持ってお部屋に入ると、すでに10人ほどのご親戚の方が集まり座っておられた。
その中のお一人が、僕のカバンを一目見るなり、「大きなカバンでんなぁ~。住職さん、その中にはたんまり現金が入ってますんやろ~?」と言われた。
皮肉とも冗談とも取れる、きわどい質問だと思うのだけど、案外僕はこんな会話が好きな方で、すぐに「そうやったら、嬉しいのですけど、・・残念ながら、もっとすごいエエもんが入っているんです。お経ですわ!」と、バサバサッとお経本を取り出し配った。
この方、まだ食い下がって、「でも、帰りはガッポリお金を持って帰られるんでしょう」とくる。
「それは皆さんのお心持ち次第ですね。僕は遠慮しませんので、頼みまっせ。ほな、読経しますよ。六ページを開いて下さいよー」と言った。
でも、この方、これぐらいでは引き下がらない。
「あのー、すみません。途中の写真撮影はOKですか?」と切り返された。
僕は「・・いったい、何を撮られますの?」と聞くと、
「いや、みんなの読経風景を撮りたいと思いまして・・。もちろん住職さんは一番に撮らせてもらいます」と、こられた。
僕は「撮る時は、にっこり読経顔が良いか、まじめ済ました読経顔が良いか、変化させますんで言ってくださいや。どっちのパターンのご要望にも応じますから」と言ったら、・・さすがに、この方笑われて、「・・わかりました。表情はお任せします。それではこっちは勝手に良いタイミングをみて撮らせてもらいますわ。ハハハッ」と笑われた。(くいさがって来られたのは、ここまで。これ以上何か言ったら、他の親戚に何か苦情を言われると思ったのだろう。静かになった。・・が、しっかり移動しながら写真を撮られていた。)
読経も終って、僕はお茶を頂きながら、この方に、「さっき撮られたお写真どうされるのですか?」と聞くと、
「明日の朝刊のトップを飾ります!」ときた。
その返答が、おもろかったので、僕は「どうせなら、四大新聞全部に投稿を頼みまっせ。 載ったらお布施の一割をキャッシュバックしまっせ!」と返して、笑いながらそのお家を後にした。
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〔大きなカバン〕の中身?
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