今より少し前のお話。
インドの国に、パワースポット、いわゆる[力の湧く聖地]を探して、夢見る若いお坊さんがいました。
ある時、このお坊さんは友達からとても清らかなパワースポットがある事を聞いたのです。
それで、居ても立っても居られず、師匠の下に飛んで行きました。
「師匠、とても美しく清らかな聖地『パワースポット』があると聞きました!師匠、是非ご一緒に参らせていただこうではありませんか⁈」と、若いお坊さんは言いました。
師匠は困った顔をして、「お前は又、パワースポットの話を聞いて来たのか?‥それで、今日のうちの寺の仏様へのお参りはちゃんとしたのか?」
「あっ、すみません。パワースポットの場所を地図で探していて、つい忘れてしまいました。」
「困ったやつじゃ、‥おまえに一つ、たとえ話をするから、そこに座ってよく聞きなさい。」と話し始めました。
『昔、ある所にな、大変タバコ好きの男がいたんじゃ。ある晩、男はいっぷくタバコを、吸おうかと思ってタバコを出したが、あいにくマッチが無かった。
そこで、隣の友達の家に行ってマッチを借りようとしたが、夜遅く友達は眠っていて、家の扉は堅く閉まっていた。
そこで仕方なく、男はその近くの家を回る事にした。
男は火打ち石でランプに火を入れ、それを片手に持ち、「おーい、マッチを誰か貸してくれー!俺はタバコが吸いたのだよー!」と、あちこちの家を訪ねて回った。
‥が、深夜でもあって、誰も出て来なかった。
仕方なく、男は隣町の無二の親友の家まで急いで行った。
やがて親友の家に着き、「友よ!悪いがマッチを貸してくれ!」と扉を叩いた。 つづく
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紙芝居『パワースポットを探せ!』(前編)
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