「弁円さま、信者たちが来なくなった訳がわかりました。
信者たちは[親鸞(しんらん)]という、坊主の草庵に行っておるのでございます。」
「なにっ、親鸞っ⁉」
「はい、その坊主は京の都から流されて来たようで・・、そやつが言うには『加持祈祷はいらん。念仏一つで救われる』と、ほざいておるようでして・・。みんな、そやつのもとに参っておるのです!」
「なんだと、許さん!」
・・そう、その男の名は[親鸞]といったのだ。
ワシの怒りは頂点に達した。
「加持祈祷はいらんだと⁉・・念仏ひとつで救われる⁉そんな馬鹿なことがあるものか!・・そんなまやかしを言う坊主、親鸞!ワシが叩き斬ってやる!!」
そして、次の日から[板敷山(いたじきやま)]という、親鸞らしき者が通るという噂の所で待ち伏せをした。
しかし、親鸞は現れなかった。
そこでワシは、あやつの草庵に向かうことにした。つづく
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紙芝居:『山伏・弁円(べんねん)と親鸞聖人』(その3)
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