住職のつぼやき[管理用]

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お寺の息子

 僕には息子が一人いる。(娘のほかに)
 今、(理数科系の)大学を卒業して、サラリーマンをやっている。
 息子は今、専門的な(技術職の)仕事のせいか、遠方で社宅(ワンルームマンション)での生活を、一人でやっている。
 ・・で、なかなかお寺には帰って来ない。(いろいろと忙しいらしい)
 その息子が、(久々に)おととい帰って来た。
 おそらく、『母の日』だったからに違いない。
 それで、夜遅くまで(息子の仕事の事やら、こちらでの近況などをいろいろと)しゃべっていた。
 僕は思ったのだが、やはり、就職して(社会に出た)ことは、良いことだと感じた。(たくましくなっていた)
 もちろん、人間関係の中で、揉まれる事は大変なことに違いない。
 しかし、長い人生の中で、どんな仕事をするに当たっても、人間関係の無い職場などはない。
 つらい目にあったり、共に喜んだりして、人は育つものだ。
 息子の話を聞いていて、人によって『育てられてるなぁ』と思った。
 もちろん、僕は息子に『僧侶』になって欲しい。・・それは本音だ。・・宗教にも興味はあると(息子は)言っていた。(でも、その分、娘が得度をして「僧侶」になってくれてるから、欲張りなことを言ってはダメだとは思っている)
 (息子には息子の)自分のやりたい夢があるのだから、それを奪う権利は僕には無い。
 又、僕自身も父の期待を裏切り、酒屋にならず、僧侶になったのだから、息子に対しては何も言えない。
 息子も、娘も、それぞれの一個の人格を持って、今を精一杯(いろいろと考えて)生きている。
 「後を継いでくれ」とか言うのは、まだ早いような気もする。
 後を継ぐとか、継がんとか、それは『縁』に寄るものだ。
 僕も『縁』があったから、酒屋から僧侶になった。
 仏さまに、すべてはお任せしよう。
 そして、今は僕のできる事を精一杯させてもらおう。
 息子としゃべっていて、そんな事を思った。
  

 
 

コメント一覧

EVENT MONK 2012年05月17日(木)14時10分 編集・削除

ええ!!??そうなんですか!!?

先生!息子様いらっしゃたんですか?!(と白々しく、笑)

この日記のお言葉、
親父から戴いたような気がして、
なんか、泣けました。

有難うございました(照)

カンネン亭 2012年05月17日(木)15時24分 編集・削除

イベントムンクさん

 立派でアクティブなお父さまがいらっしゃること、ほんまに羨ましく思います。
 うちの父親も、もうちょっと長生きしてくれてたらなぁ・・。
 

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