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紙芝居:『山伏・弁円(べんねん)と親鸞聖人』(その1)

(はじめに)
 山伏(やまぶし)[弁円(べんねん)]の話は、浄土真宗では超有名である。・・僕はいつか紙芝居にしようと思っていたが、その弁円のイメージが湧かなくて時間が掛かりやっと、ここにようやくできあがった。完成までに一度、[弁円]の故郷、茨城県に行って取材しようと思い計画を立てていたら、コロナウイルス騒動があってダメになってしまった。残念である。
 僕はどうしても[悪僧・弁円]のイメージが湧かなかった。だから、弁円の顔の絵はどこか優しい。目もうつろに描いた。
 このお話をご存じの方は、イメージが違うと言われるかもしれないが、僕の中の弁円は、心がまじめでどこか弱弱しく優しい。だから、弁円一人語り調の『つぶやき』紙芝居にさせてもらった。
 長くなった。それでは『弁円と親鸞聖人のお話』のはじまり、はじまりー。
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 わしの名前は、山伏の弁円じゃ。
 修験道の行者だ!
・・厳しい修行を乗り越えて、今は大先達になった。
 わしの仕事は加持祈祷(かじきとう)。
 つまり、神仏に祈って病気を治す事じゃ。
 住まいは、常陸(ひたち)の国(今の茨城県)の寺で、そこで、何人かの弟子たちと共に暮らして居る。
 又、信者からは尊敬を集め、慕われておった。
 ・・が、あの男が来てから、すべてが変わってしまった。
 そう、あの男が・・。つづくじゃ

コロナ騒動の中で〜社会生活制約の日々

コロナ騒動がいまだ続いている・・。
そんな中、日常起っている僕の小さな出来事をお話します。
 うちのお寺は、コロナ騒動で「毎月のお参りは休んで欲しい」と言われる檀家さん以外は、ご自宅まで行ってお参りをさせて頂いている。
 一人暮らしの年配の方などは、誰かと会話する機会もない為か、読経の時間よりも雑談時間の方が長くなり・・マスクをして表情でサインしてもなかなか帰れない。
 今日もこんな話題で長くなった。
「・・この頃、週三日の施設へのデイサービスに、行きにくくなりましてな。朝にバスでお迎えの職員さんが開口一番にまず言われる事が、「なるべくお家で自粛して欲しいのです」と言われ、が、どうしても行きたいと言えば、体温を測ってもらって出発しまんねん。・・施設内でも、いつもやったら八人づつ坐る長机が、間を空けて二人でっせ。なんか寂しいて、おる事が申し訳なくて・・、院主さん、いつまでこんな騒動が続きまんねやろな・・あったかくなってきたら、コロナ消えまんねやろか?」と。
 僕は「そうなれば良いですのにねぇ」と曖昧な返事をして、そのお家を後にした。
僕は思った、かつても同じ感染病騒動があり、人々はそれを乗り越えて前進して来た。・・と知れば、少しは(私も含めて)我々は安心できるのではないか?・・と。そうだ、そんな紙芝居を作ろう!と思った。

紙芝居:『ダイエットの王様』(その4:最終回)

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それから半年が過ぎました。
 王様はこっそりと、寝室や着替え部屋などで間食をしようとしましたが、そのつど(手ごわい)侍従に見つかって失敗しました。
 今日も今日とて、お城のどこかで侍従の『人は自分の食事の適量を・・』という声が聞こえてきます。

 ・・そしていつしか一年が過ぎようとしていました。
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 今ではすっかりスリムになった王様がおりました。
 身体もすっかり元気になり、もう侍従がお釈迦さまのお言葉を言わなくても、食事の量を自分でコントロールできるようになっていました。
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 そしてハシノク王は長生きされ、その後も、お釈迦様のお説教をたくさん聞かれたということです。
 めでたし、めでたし。・・おしまい

[良い子は読まない方がよい、あとがき]
 この物語は、『雑阿含経』というお経を基にした(オリジナル)紙芝居である。
 この主人公[ハシノク王]は、古代インドの歴史上の人物で[コーサラ国]の王で(プラセーナジット王)とも呼ばれている。又、物語で語られていた通り、お釈迦様の大ファンであったことは確かである。
 この紙芝居ではハッピーエンドにしたが、実はこの王様の最後はハッピーではなかったらしい。
 実はハシノク王は、彼の息子とその晩年、仲が悪くなり、国を追い出されることになったようである。・・そして最後は、その追われた旅の途中に倒れ、哀れな死に至ったといわれている。
・・お釈迦様の教えは、ハシノク王の息子には届かなかったのか⁈ 又、その息子も悲劇的な最後を迎えたと云われている。実際はこのようなリアルな終わり方をした・・と一言付け足しておく。(人間の運命は、仏のお説教では変わらないものなのか⁈・・いや、変わった人達も多くいるに違いない。『お前はどうなんだ?』と仏様に問われているような気がする。)
 又、この紙芝居で出てくる『適量』とはどれぐらいの量なのか⁈紙芝居を作りながらずっと考え続けた。腹八分なのか⁈それとも腹七分か?・・そんなことを考えながら絵を描いていたら、腹が減ったのでおやつを食べ始めたら・・、家内に紙芝居と同じことを言われて責められた。
『住職は自分の食事の適量を知るべし。すれば、苦しみ少なく安らかに日々を送り、長生き出来る』と・・。うちの寺にも侍従がいる。本当におしまい
 

紙芝居:『ダイエットの王様』(その3)

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さて次の日。
 食事の時間がやって来ました。
 今日もたくさんのご馳走です。
「おっおっ、これは楽しみ楽しみ!」と王様は食べようとすると・・、
 侍従が「王様、ちょっとお待ちを!・・え~おっほん、お釈迦さまはおっしゃいました。
『人は自分の食事の適量を知るべし。すれば苦しみ少なく、安らかに日々を送り、長生き出来る』と。」
「おおっそうじゃった⁉・・ご馳走はこの半分で良いわ。トホホ・・。」と王様はしょんぼりして答えました。
 すると侍従は、「王様、何かお忘れではございませんか⁈」と言いました。
 「あぁそうじゃった。・・侍従、金貨一枚を受け取れ。」
「ありがとうございます!」と侍従はニッコリ。
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 そして次の日も、その又次の日も、侍従は金貨が貰えるものですから、決して忘れる事無く、王様にお釈迦様の言葉を伝え続けました。
 それから三か月後。
 王様はさすがに適量の食事が辛くなってきました。
「のう、侍従よ。たまには満腹になるまで食事を取ってみたいのう。」とつぶやきました。
すると侍従は、「それはなりません!王様。お釈迦様は言われました、『適量の食事は苦しみ少なく、安らかに日々を送る事ができる。』と。
確かに最近の王様は散歩に出られても、ゼェゼェと言われ無くなって来ました。良い事だと思われます。‥それに私も貯金がたまって来ました。・・こりゃ失礼!」。
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しかし、さすがの王様も我慢ができず、ある日、こっそり袋にお肉を詰めて散歩に出ました。
「しめしめ、今日は侍従もついて来ないし、森の中でたっぷりお肉を頂くぞ。」と一人言を言っていると、突然!
『人は自分の食事の適量を知るべし!・・』と森の中の木の上から声がしました。
「その声は侍従!」
「そうです、私です!王様っ」と、木の上から侍従が降りてきました。
「王様、間食はいけませんぞ!こうゆう事もあろうかと、休みを返上して、森の中を見張っておったのです。はい、王様、金貨一枚頂戴いたします。」
「ぬっぬっぬっ、おそるべし、侍従!」つづく

紙芝居:『ダイエットの王様』(その2)

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ハシノク王は、お釈迦さまの問いに顔を赤らめて答えました。
「はっはい、お釈迦様。お恥ずかしい話ですが、実は今日も無我夢中で食事を取っておりまして・・、大事なお説教の事を忘れてしまったのです。それで急いで参ったら、このように息が荒くなってしまいました。お許しください。とほほほっ。」
と。
 お釈迦さまはそれに答えて、「はっはっはっ、そうであったか。・・がしかし、食事に夢中になって、大事な事を忘れるというのはいけませんな。それにまた、少し肥えられましたか⁈話をするのも苦しそうじゃし・・。」
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 そして、お釈迦さまはおっしゃいました。
「良いですか、ハシノク王よ、よく聞きなさい。
『人は自分の食事の適量を知ることが大切です。そうすれば、苦しみ少なく、安らかに日々を送り長生き出来るのです。』」と。
 これを聞いてハシノク王は深く反省しました。
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そして、この話を一緒に聞いていたお付きの侍従に、王は言いました。
「これ侍従よ。今お釈迦さまは私に大事な事を教えてくだされた。
 侍従よ、今の言葉を暗記せよ。そして、これから私が食事をする前に、お前はお釈迦さまのように、この言葉を言っておくれ。そうすれば、その度ごとに金貨一枚をお前にやろう。」と。
 侍従は、「えっ、それは本当でございますか⁉・・喜んで!」と答え、この言葉を暗記したのでした。つづく

紙芝居:『ダイエットの王様』(その1)

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昔々、インドに[ハシノク王]という王様が居りました。
 この王様、食べることが大好き!
・・ですから、超肥満体でした。
 今日も今日とて、美味しい物を一杯食べておりました。
「あぁうまい、うまい!・・このお肉は超美味じゃ。いくらでも食べられるのぉ~。」
 その時、「王様、お急ぎください!お釈迦さまのお説教が始まってしまいますぞ!」と、お付きの侍従が言いました。
 「ああ、こりゃいかん!」
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 「皆の者、急げ!お釈迦さまのお寺に向かうのじゃー!」
 王様と家来たちは、お釈迦さまのお寺に大急ぎで向かいました。
 そぅ、今日はお釈迦さまのお説教の日だったのです。
 王様はお釈迦様の大ファンであり、お説教を聞くのが大好きだったのです。
 「よーし、何とか間にあったー!」と、お寺に着いた王様は「はぁはぁ」言いながらお釈迦様の部屋に入りました。
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 お釈迦さまは「おぉっ、よく参られた、ハシノク王よ。・・がしかし、えらく息が荒いのぉ~。いったいどうされた?」と聞かれると、ハシノク王は顔を赤らめて言いました。つづく

三宅裕司の故郷探訪、河内長野市アンコール放送

BS日テレ(4月22日・水曜、午後8時より)の[三宅裕司の故郷探訪]という(アンコール)番組の中で、出前メニュー120・「滝畑に磨崖仏あり」という紙芝居が少し出ます。
日テレ放送局から、連絡がありましたので、ここに宣伝させて頂きます!以上

なるべく楽しい話を、紙芝居を!

現在、ご法事などの仏事のキャンセルが多い中、今年どうしても年忌法要をお願いしたいと言われる方の所にはマスク着用の上、お参りさせて頂いている。
しかし、皆さんの雰囲気がどうしても重いので、僕は読経終了後、なるべく楽しい紙芝居法話をするように心がけている。
 例えば、紙芝居をするにしても、「あわてもののウサギ メニュー35」とか、近々このブログでも発表予定の「ダイエットの王様」とか、大人も子供も楽しめて、しかも心安らぎ、より良い生活の智恵となるような仏様の教えを演じてお話しさせて頂いている。
 皆さんが少しでも、心安らぎますように!合掌

紙芝居:『半ごろしと本ごろし』(後編)

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それを聞いておばあさんは、キョトンとした顔をして・・、そして言った。
 「そんなに急ぐなら、この出来立ての『半ごろし』を弁当に持って行きなされや。」と。
 若者は「えっ弁当?・・半ごろし?」
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 若者が驚いた訳を話すと、おじいさんとおばあさんは、笑いながら説明した。
「あっはっはっ、旅の人。『半ごろし』というのは、この[ぼた餅]の事じゃよ。
 この辺りではなぁ、ご飯を半分つぶして、小豆をのせて餅を作るので『半ごろし』というんじゃ。「つぶす」というのを「ころす」と言う方言なのじゃな。
 又、ご飯を全部すりつぶして、餅を作るのは『本ごろし』というんじゃよ。わかったかのぉ・・はっはっはっ。」
 「そっ、そうだったんですか⁈」と若者は恥ずかしいそうに言った。
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 こうして旅の若者は、おいしい『ぼた餅』をいっぱいよばれて、又旅に出たということじゃ。めでたし、めでたし・・いやまだ早い!
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 お彼岸のお供え物といえば、この『ぼた餅』。
 なぜ、そういう名前になったかというと、春に咲く花は『牡丹(ぼたん)』。
 春彼岸には、その牡丹に見立てて丸く作り、仏様にお供えしましょう、というので『ぼたん餅』が『ぼた餅』になったとか。
 そして、秋彼岸は『萩(はぎ)』の花を餅の名に見立てて『おはぎ』になったとか。・・・知らんけど。いやほんと!
 そして、小豆は赤色。それは邪気を払う縁起の良い色という言い伝えから、当時のご馳走であった御餅に小豆を合わせて仏様にお供えするということになったそうです。
 ちなみに、ぼた餅の[本ごろし]は地方によっては[皆ごろし]とも呼ぶそうですよ。・・・おしまい

紙芝居:『半ごろしと本ごろし』(前編)

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 昔々のお話。
 陸奥の国(今の東北地方)を、一人の若者が旅をしておった。
 「あぁ、今日も日が落ちた。この辺りに宿屋はないかなぁ?・・あっ、あそこに明かりが見えるぞ。一夜の宿をおねがいしてみよう。」
 トントン、トントン。と若者は戸を叩いた。
 すると、
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 「どなたさまじゃ。」と一人のおじいさんが戸を開けて顔を出した。
 「旅の者です。今宵泊まるところが無いのです。泊めて頂けませんか?」と若者は言った。
 「おお、そうかえ。それはお困りじゃろう。さぁ、中に入って火にあたりなさい」と親切に家の中に招いてくれた。
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 家の中にはおばあさんもおって、「さぁ何もないけれど、かゆでも食べてけろや」と食事を振る舞ってくれた。
 若者は深くお礼を言って、その夜はぐっくり眠ってしまった。
 さて、その真夜中の事。
 若者はおじいさんとおばあさんのひそひそ話で目が覚めた。
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 おじいさんは「なぁ、ばあさん。明日の朝、あの旅人さんは『半ごろし』がええかのう。」と言うと、おばあさんは、
「いいえ、おじいさん。私は『本ごろし』の方がええとおもいますよ。」と言った。
 それを聞いて若者はギョッとした。
「あのじいさんとばあさんは、親切そうに見えるが実は[山賊]だったのだ!」と震え上がった。
 そして、夜が明ける前にこっそり逃げ出そうと思った。
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 次の日、若者がこっそり出て行こうとすると・・、
 突然後ろから、「旅人さん、もう出て行かれるのですか?」とおばあさんの声がした。
 「わぁ⁉助けてくれ!半殺しにせんでくれー!」と若者は叫んだ。 後編へつづく