住職のつぼやき[管理用]

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悩みの聴き方

 仕事柄、人の悩みを聴くことが多い。
 そんな時、気をつけている事が一つだけある。
 それは、〔二つの耳で聴く〕という事だ。
『当ったり前やんけ~!』という言葉が飛んできそうだが、これには意味がある。
 これは昔、わが恩師から聴いた事なのだが・・、
『一方の耳で、その人の感情を聴く』=(その人になったつもりで話を聴くという意味)
 そしてもう一方の耳で、『仏の耳、天の耳で話を聴く』=(その人の《味方》にならず、客観的に、その人の話に耳を傾けるという意味)・・らしい。
 この片一方の〔聴く〕だけでは、その人の悩みを受け取ることはできない、という事なのだそうだ。
 悩む人の『感情』に共感できないと、その方は、こころを開いてくれない。・・『話を聞いてくれてる』と思っていただけない。
 ・・と言って、その『感情』に巻き込まれ過ぎると、〔悩みの本質〕がはっきり見えない。だから、常に冷めた目で見るもう一人の自分も必要だというのだ。
 これは、言葉では簡単に書いたが、実際はとても難しい!
 僕なんぞ、絶えずその人の『感情』に巻き込まれて、どこまで渦の中に入っていってしまう。
 でも、この『二つの耳』を常に心の片隅に意識しておくと、ちょっとだけ自分が冷静になれる・・ような気がする。
 『意識しておく』という事は、なんと大事なことだろう。
 といいながら、今日も僕は『感情』の渦の中に・・。
 

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