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紙芝居:「わらしべ長者」 前編

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 (プロローグからの続き~) 
 その晩、若者は仏様の夢を見た。
〔仏様〕「お前はたいそう働きものじゃ。願い通り、幸福を授けてやろう。
 明日の朝、最初に手にした物が、お前の《幸福》じゃ。
 よいな、最初に手にした物じゃぞ!」と、仏様は夢の中でおっしゃられた。
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 次の日、若者は「なんとも不思議な夢を見たなぁ・・」と、大きなノビをして外へ出たとたん、ツルリッと足を滑らせ、ドッスン!
 「ありゃ、最初に手にした物は、・・この《わらしべ》一本か?! これが《幸福》とは、なんとも心細いなぁ~。
 でも、仏様から頂いた物だ。大事にしよう」と・・、
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 町に向かって歩いて行くと、顔の回りをブンブンと、アブが一匹飛び回った。
 「シッシッ!うるさい奴め、こうしてやる!」
 と、若者はそのアブを捕まえて、持っていた《わらしべ》に結びつけてしまった。
 (・・そう、この《わらしべ》は、仏様からの大事な贈り物である事を、すでにこの(とらわれの気持ちのない)パッパラな若者は忘れておったんじゃ。しかしそれが良かったんじゃな。仏様は「わしの授けた《幸福のわらしべ》に、なんとっアブを結び付けるとは!・・もったいない事をしよって!この罰当りめ!」とは怒らず、微笑んで見ておられたんじゃな。)
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 そして又、ズンズン、ズンズン歩いて行くと、一台の立派な〔牛車〕が、向こうからやって来て、この若者の前で止まった。
 そして、その牛車から一人の子供が窓から顔を覗き出し、その家来が、若者の所にやって来た。
 けらいは、「あの~、すみませんが、あなたの持っておられるその《アブ付きわらしべ》を譲っていただけませんか? うちの若殿がほしがっておられまして・・」と言ってきた。
 若者は(「これは仏様からの大事な頂き物ですから、絶対ダメです!」とは言わず、)
 「お望みとあらばどうぞ」と言って、アブを差し出した。
 けらいは喜んで「これはお礼です。」と言って、《みかん》を三つくれた。
「わずかな間に、一本の《わらしべ》が、《みかん》三つになった。これはきっと仏様の御利益だな」と、この脳天気な若者はそう勝手に解釈して、このみかんを食べようと歩いていると・・・。 つづく
 

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