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紙芝居:『仏とご縁のものがたり』 (仏教もの19)

『縁(エン)』とは、人と人、又は人と物事とを結びつける不思議な力の事をいう・・・。
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昔むかしのお江戸の物語。
 〔深川〕という町に、『白木屋』という大きな材木問屋があった。
 その店には、年頃の娘が一人おり、店の主は、それはそれは可愛がって大事に育てていた。
 ・・が、ある年、その娘は大きな病に掛かり、医者もさじを投げるありさまだった。
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 それで、ここの主人は、鎌倉の円覚寺という大寺の名僧〔誠拙和尚〕の所に行き、病気平癒祈願のお経を上げてもらおうと頼みに行った。
 〔誠拙和尚〕は、快い返事をして、すぐに『白木屋』へ行く約束をした。 ・・ただし、「お布施はたっぷりと弾んでもらいますよ」と言って・・、そしてそのお布施の中身まではっきり言った。それは『金百両、米百俵』という大層大きなもので、それを前金で払って欲しいという事だった。
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 「大事な娘の命には換えられません。よろしゅうございます!」と主人は言い、・・やがて、円覚寺に金百両・米百俵が届いた頃、誠拙和尚は『白木屋』にやって来た。・・そして、こう言った。
「お前さんは死ぬんだね。・・こんな大金持ちの家に生まれて、その栄華も受けず、死ぬなんて気の毒なことじゃ。 しかし、『定命(じょうみょう)』と言ってな、命だけは、神でも仏でも変えられないのさ。死ぬ時は死ぬのだから、しっかり死になさい。」 
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「・・だがお前さんは幸せ者じゃ。ワシは今、お前さんの店から、金百両・米百俵を頂いた。 これは円覚寺の修行僧の胃袋に入る。今、円覚寺には五・六十人の僧がいるが、この中の五・六人は真の〔生き仏〕となる奴がおる。 そうすれば、お前さんは、その仏達と《ご縁》を結んだことになる。有難いことじゃ。だから、安心して、死になさい!」・・と、これだけ言うと、誠拙和尚はさっさと帰ってしまった。
 これには『白木屋』の主人はむくれた。「これでは、お布施のタダ取りではないか!おまけに、娘には『死ね、死ね』と言いおって!なんとひどい坊主じゃ!」と・・。
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 ・・が、一方、娘はというと、和尚の言葉によって『大安心』を得たのであろう。
 その結果、彼女の病気は「けろり」と直ってしまったという事じゃ。 めでたし、めでたし。

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