住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『夫婦善哉』 その一

 11月22日は、〔イイ、フウフ〕の日・・だそうだ。
 それでは〔善い夫婦〕とはいったいどんな夫婦なのであろうか?
 ・・いや〔夫婦〕というより、〔善(良)い男と女〕の関係って、いったいどんな関係なのであろうか・・?
『夫婦和合してならざることなし』、という宗教的意味深い言葉もあるが、・・・僕自身、結婚(生活)23執念(・・ちゃうか?)周年を迎えた今も、良くわからない。
 この「紙芝居」は、〔夫婦(男と女)の善き有り方〕について考えてみようと思って作った作品である。(全四回)
ファイル 208-1.jpg (文学もの14) 織田作之助原作
 これは、今より少ーし前のお話。
 意志の弱い夫〔柳吉(リュウキチ)〕を、元芸者でしっかりものの女房〔蝶子(チョウコ)〕が、ささえ生きてゆくという面白く、そして切ない夫婦の物語・・。
ファイル 208-2.jpg
〔蝶子〕の家は貧乏であった・・。
 しかし、貧しいゆえ〔蝶子〕は《芸者》になったのでなかった。
〔蝶子〕は持ち前の陽気さゆえ、自分で「是非、芸者になりたい!」と思い、父に駄々をこね、一人前の芸者になったのである。
ファイル 208-3.jpg
 〔蝶子〕が20才になった時、11才年上の馴染み客〔柳吉〕と恋に落ちた。
 〔柳吉〕は、安化粧品・卸問屋のボンボン息子であった。
 この時すでに〔柳吉〕には妻子があったが、そんな事おかまいなし。深い仲になった〔蝶子〕を何度も外へ連れ出して・・、
「なっなんぞ、うっうまいもん食いに行こか!」と二人は食べ歩いた。
 どもる癖にある〔柳吉〕に言わせると、「うっうまいもんは、何といってもミナミに限る!」というのが持論であった。
ファイル 208-4.jpg (『たこ梅』のおでん)
 「いっぺん、俺の後についておいで」と、ついて行くと、一流の店には入らず、庶民的な店ばかりに入った。
 日本橋の『たこ梅』のおでん。『だるま屋』のかやくご飯。
 どれも、芸者をつれて行くような店構えではなかったが、「どっどや、うまいやろ!こっこんな、うまいもんは何処に行っても食べられへんぜ!」と講釈した。そう言われて食べると、なる程うまかった。
 しかし、こんな遊びも長くは続かなかった・・。
ファイル 208-5.jpg
 〔柳吉〕の父が《中風》で寝つき、銀行通帳を布団の下に隠した為、自由に使えるお金がなくなってしまったからだ。
 遊びに行くことの出来ない〔柳吉〕の元に、〔蝶子〕から「逢いたい」との手紙が来て、ついに《浮気》がバレた。
 怒る父親、泣く妻・・。
 そして気の弱い〔柳吉〕は、ついに〔蝶子〕と《駆け落ち》をして、家から《勘当》となってしまった。
 つっつっ、つづく・・(うつってしまった〔笑〕)

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