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紙芝居:『にんじん』(その4)

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ある日、僕はお父さんと二人で釣りに出掛けた。
 僕はお父さんに、ぼそっと言った。
 「父さん、僕は本当にお母さんの子供なの?」
『うん、間違いない・・。お前はお母さんの子供だよ。』とお父さんは言った。
 「じゃあ、なぜ?あんなに母さんは、僕をいじめるんだろ⁉」
『うん⁉・・母さんは一挙一動、お前を見ていると「自分自身の嫌な処を見ているようだ」と、言っていたことがある。・・自分が嫌なために、お前をいじめるのかもしれんなぁ・・?』と言った。
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 「でも、父さんっ。僕あんまり辛くて、この前、洗面器の水に顔をつけて死のうとしたんだよ。・・そしたら、母さんに見つかって、ひっぱたかれたんだ。」
『そうか、そんなことがあったのか・・。
 でも、にんじんっ、どうか死なないでおくれ。お前に死なれたら、私はどんなに悲しむか・・。
 私は母さんと仲が悪い。・・だから、あまり会話をしない。又、仕事が忙しくて留守がちだ。
 でも、にんじん、お前の事は愛しているよ。
・・そうだっ!にんじん、お前、遠くの学校に転校してはどうだ!・・その学校は寮があって、そこでは、友達と一緒に生活できるんだ。もう、家族と住まなくても良いんだよ・・。』と言って僕を抱きしめた。
 その時、僕は始めて、あたたかい父さんの血を感じた。 
 つづく

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