やがて、道宗さんはお嫁さんをもらいました。
家庭を持っても、旅に出ることの多かった道宗さん。
ある日、お嫁さんが「私も一度、旅につれて行って下さい。」と頼みました。
「それじゃ、一緒に行こう」と、夫婦で京の本願寺へ出発しました。
・・・が、お嫁さんは初めての旅行です。途中で旅費が足らなくならないか不安でいっぱいでした。
それで、ずっと財布の中身ばかり見ておりました。
それに気が付いた道宗さんは、「お前、お金を捨てよ!」と一言。
「あぁっ・・はい」と、不服そうにお嫁さんは、財布を道に置きました。
『・・これから、どうなるの⁉』と、力無く歩いているお嫁さんを見て、又道宗さんは一言。
「お前、お金を捨てよと言ったのに、まだ持っているのか⁉」と。
それを聞いて、ムッとしたお嫁さんは「とうにお金は捨てました!」と反撃。
「お前はまだ、心の中にお金を持って居る。お金が命のことより、大事だと思っているから、お念仏が口から出てこないんだ!」と叱ったそうです。
・・その後、この二人の旅はどうなったかって?
記録には残っていません。 つづく
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紙芝居:「妙好人 赤尾の道宗」(その6)
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