純粋な信仰心のレベルの高さにおいては、飛びぬけた境地にある人・・。
それを妙好人(みょうこうにん)といいます。
江戸時代中期の播州(今の兵庫県:姫路)に生まれた宇右衛門(うえもん)さんも、その一人です。
宇右衛門の家は、代々のお百姓さんでした。
・・が、宇右衛門はまじめに働かず、若い頃はケンカやバクチに明け暮れていました。
ある日・・、
宇右衛門さんは、殺生を禁止されていた川で、ひそかにカニを捕っていました。
それを見つけた檀那寺の『浄因寺(じょういんじ)』の住職さんは、自分の下駄を脱いだかと思うと、いきなり、宇右衛門の頭を一撃!
ころがって川に落ちる宇右衛門さん。
バイオレンスなこのご住職は、網の中のカニを逃がすと、静かに去っていきました。
「おのれ、クソ坊主!」と宇右衛門は、家に帰ってこん棒を持ち出し、お寺に殴り込もうとしましたが、
その時、母親が「お寺の住職なればこそ、お前の後生を憐れんで、厳しく叱ってくれたんだぞ!」と、泣いて止めました。
それを聞いて、さすがの宇右衛門さんも、「・・わしが悪かった。」と反省したそうです。
(宇右衛門さんがカニを捕っていた川。ここで一撃!)
(愛の下駄の一撃をくらわせた住職のお寺『浄因寺』様 左に宇右衛門さんの銅像が見える)
つづく
[管理用]
記事一覧
※画像をクリックすると拡大されます。
紙芝居:「播州の宇右衛門さん」(その1)
トラックバック
- この記事のトラックバックURL
https://o-demae.net/blog/diary-tb.cgi/1578