人は亡くなれば、骨が残る。
その骨(こつ)は、お墓に納骨するまで、家の仏壇に安置する。
そして、仏壇から、お墓に納骨する[時期]について、人は迷う。
先日も、そんな悩みの相談があった。
息子さんを亡くされた母親が言われた。
「院主さん、納骨の日を迷ってます。満中陰(死後、四十九日目)に納めるは寂しかったので、・・次は(もうすぐ来る)一周忌にするか、三回忌にするか、それとも、次のお盆か、お彼岸か?・・」と。
「家族の方は、何と言ってはりますか?・・そして奥さんの本音は?」と僕。
どうやら、『早く、お墓に納めなさい』と旦那さんや子供さんに言われておられるようで、奥さんの本音は、まだ納骨したくないようだ。
しかし、最近、息子さんの『お母ちゃん、早よ弁当作って、会社遅刻する!』という夢をよく見られるようで、『成仏してないのでは?』と悩んでおられるのだ。
「そんな事はないですよ。」と言ったものの夢の事までどうする事もできないので、その後いろいろお話し、一周忌の後、納骨することに決めた。
そして納骨も済み、今日、そのお家に月参りに行ったら、奥さんが「もう夢を見なくなりました。・・これで良かったと思います。」と、ちょっと寂しげに言われた。
「夢に出て来られないのも、寂しいんや・・」。
納骨の時期というのは、本当に難しい。