警察「警察ですっ!ジキル博士、今一度、お部屋の中を改めさせて頂けませんか?」
ハイド「いかん、このままでは捕まってしまう」
とつぶやき、ハイド氏は大声で叫びました。
ハイド「帰ってくれ!ここに犯人などは居らんっ!」と。
その声を聞いて、
警察「おい、あの声はジキル博士の声では無いぞ。・・という事は、もう一人別人がいるんだ。・・ジキル博士っ!大丈夫ですか⁉今、助けに参ります!」
と、警察はドアに体当たりし始めました。
ハイド「・・もはや、これまで。・・私が間違っていた。
一人の人間には、善なる心と悪なる心の二つがあり、そのバランスをうまく保ち、・・そして、それを正しくコントロールするからこそ、社会の中で生きぬく事が出来るのだ。
その一方を完全に排除する事は、一人の人格を崩壊させるのと、同じことになるのかもしれない・・・。」
と、そうつぶやき、ハイド氏、いやジキル博士は、机の中からピストルを取り出しました。
そして、引き金を引き、
『バァーン!』
警察「なっなんだ!今の音は。・・いかん、ジキル博士が犯人に撃たれたのでないか⁉ 急いでドアを蹴破れ!」
そして、警察があわてて部屋の中に入ると、そこには・・、
顔の半分がジキル博士で、後の半分がハイド氏の遺体が横たわっておりました。
おしまい