〔節分〕を少し過ぎてしまったが、僕の大好きな《鬼》の紙芝居を(2本)御紹介したい・・。
(文学もの2・8)
(あらすじ)
昔々、山深い所に〔赤おに〕が一人で住んでいた。
この〔鬼〕は人間と仲良くなるのが《夢》だった。
そこで、『どなたでも遊びに来て下さい・・』という《立て札》を立てた。・・が、疑い深い人間たちは「騙され食べられてしまう」と思って誰も近寄らなかった。
・・がっかりし諦めかけていた所に、友人の〔青おに〕が訪ねて来た。
赤おにが事の成り行きを説明すると、青おには〔一計を案じた〕。それは『自分〔青おに〕が人間の村に行って暴れる。そこに君〔赤おに〕が現れて僕をやっつける、というお芝居をする。・・すると人間は君を信用して仲間に入れてくれるだろう・・』という、(まるで『吉本新喜劇』の劇中劇のような・・)案であった。・・そして決行される。
作戦はうまく行き、赤おには人間達と友達になれる。しかし、その後一向に〔青おに〕は姿を見せなくなってしまった。
そこで、赤おには青おにの家を訪ねることにする。するとそこには一枚の〔赤おに宛〕の張り紙が貼ってあった。
『赤おに君へ、人間達とは、どこまでも仲良くまじめに付き合って下さい。・・(中略・簡略)・・僕が現れたら人間は又、君を疑うかもしれません。だから僕は旅に出る事にします。それは長い長い旅になるかもしれません。けれど、僕はいつでも君を忘れますまい。どこかで又遇う日があるかもしれません。さようなら、体を大事にして下さい。どこまでも君の友達 青おに』・・。
赤おには、その手紙を二度も三度も読み戸に顔をおしつけ、しくしく々と涙を流して泣き続けた。おしまい。
なんと、すばらしい話であろう!このブログを書いている途中でも目がウルウルしてくる。・・《仏様》は登場しないが、なんと仏教的な《慈悲・利他》の心を伝えるお話であろう!
・・が、待てよ。「この《青おに》はいったいこの先どうなるのか?青おにの未来に幸せはあるのか?」と、いても立ってもおられず、作者の《浜田廣介》師には内緒で〔続編〕を勝手に作った。
それが次の『笑った赤おに』である。・・長くなったがもう少しお付き合い願いたい。
・・赤おにが、大泣きしてから何年も経った。
ある日、赤おにの所に〔青おに〕から一通の手紙が届いた。
そこには次のように書いてあった。『赤おに君、お元気ですか?僕は元気にやってます。僕は長い旅の途中、かわいい〔白おに〕さんと知り合って結婚しました。そして今では〔水色おに〕と〔ピンクおに〕の子供も生まれ、僕はパパになりました。今とっても幸せです。そのうち君の所に、家族みんなで遊びに行きたいと思っています。人間たちも、このかわいい〔子おに〕を見たらきっと仲間に入れてくれるでしょう。いつまでも君の友達 青おにより』。
この手紙を赤おには二度も三度も読みました。そしてニコニコ々笑いましたとさ。おしまい。
非公開 2013年01月30日(水)20時29分 編集・削除
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