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紙芝居:「わらしべ長者」 後編

 「・・歩こうー、歩こう~、わたし脳天気~。交換大好き~、ドンドンゆこう~・・。」と歌いながら、この〔物に執着しない〕脳天気な若者は、〔馬〕を引いてドンドン歩いていると、やがて大きな屋敷の前に出た。
 すると中から、そこの屋敷の主人が出てきた。
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 そして・・、
「わしは今から、都へ引越しをするのだが、荷物を引っ張る〔馬〕が足らんのだ。・・お前さんのその丈夫そうな〔馬〕を、わしに譲ってくれないか?」と言った。
 「ああ、良いですよ。・・元々、この馬は仏様からの頂き物です。・・人のお役に立てるなら、どうぞ遠慮なく連れて行ってください。」と、若者は二つ返事で答えた。
 その言葉を聞いて、屋敷の主人は、そのバカ者、いや若者を大層気に入って、「お前さんは、正直そうな良い人相をしておる。・・そうじゃ、その〔馬〕のお礼に、わしのこの〔屋敷〕と〔田んぼ〕を譲ろう。・・いや、遠慮するな。どうせ、わしはもう二度とここには帰ってはこないと思うのでな・・。ハッハッハッ」と言って笑った。
 「えっ、本当ですか?!ラッキー!!」と、若者は飛び上がって喜んだ。
 こうして、一本の〔わらしべ〕は、〔みかん〕に変わり、〔反物〕に変わり、〔馬〕に変わり、今、〔屋敷〕へと変わった!
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 この話を聞いた村の人々は、この若者を『わらしべ長者』と呼んで、たいそう噂しあったという事じゃ。 めでたし、めでたし。 おしまい

 〔余話として〕
 この『昔ばなし』は、どこかおかしい・・。つまり変だ。・・仏さまの〔いいつけ〕を守ってない。
 ・・それは、仏様が、夢の中で告げられた『お前が目覚めて、一番最初に手に掴んだ物が、お前の《幸福》じゃ。大切にせよ!』と、言われたにも関わらず、いとも簡単にこのメッセージを無視して、この若者はこの〔わらしべ〕を欲しがっていた子供にやってしまった事にある。
 若者は〔仏様からの大事な贈り物〕を、〔目の前に、それを必要とした者の為に、〕いとも簡単に放棄したのだ。
 これは、現代人にはなかなか出来ない事だと思う。
 僕なら、こんな夢を見たら、《仏壇》にその一本の『わらしべ』をお供えして、「どうかー、幸せをもたらして下さいませー。ナンマンダブ、ナンマンダブ・・。一生手放さんぞー!」と、言ったかもしれん。・・・結果的に、幸せが遠のく。・・〔わらしべ〕はただの〔わらしべ〕として、終ったかもしれん。
 大事なことは、仏さまからの大事な(スピリチャルな)メッセージであろうと、《目の前に困っている人》がいるなら、そんなメッセージは《無視》して、自分でその時、何をすべきかを考えて、行動すべきだと思うのだ。
 ひょっとすると、それが本当に仏さまが望んでおられる事かもしれないから・・。
 そんな事を考えてると、この『わらしべ長者』は深い。
 僕のこの『紙芝居』の裏メニューに、(一本のわらしべを絶対に手放さなかった)『わらしべ凡者』という物があるのだが、それは又、別のおはなし・・。
 

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