住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『良寛さま』 その1

 昔々の江戸時代・・。
 これは子供達と遊ぶことが大好きだった『良寛』というお坊さまのお話です。
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 良寛さまは、越後の国、今の新潟県・出雲崎(イズモザキ)という海岸沿いの村で生まれました。
 良寛さまの本名は、〔山本栄蔵〕といい、父・山本以南、母・おのぶとの長男として生まれました。
 山本の家は、《神官》と《大名主》を兼ねていました。
《名主》というのは、今の『村長』とでもいいましょうか、村の中心的な存在で、『お代官』と『漁・村民』との〔調停役〕などの難しい仕事をしなければなりませんでした。
 〔栄蔵〕こと、のちの〔良寛〕は、内気で愚直で、融通の利かない性格でしたので、この仕事を継ぐには、余りにも不適格でした。
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 〔栄蔵〕は16才になりました。今や立派な『若名主』です。・・しかし、仕事はうまくいきません。
 ある日、漁師たちが、〔栄蔵〕の家にやって来て言いました。
「栄蔵様、今年の漁は不漁でした。なんとか、税金を負けてもらえないかと、お代官様にお願いしてもらえませんか?」と。
「はい」と返事をして、代官屋敷に向かった〔栄蔵〕は、漁師たちの訴えをそのまま『お代官』に伝えました。
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「何をぬかすか!一文たりとも負けんわい。栄蔵、あやつらは本当は金を隠し持っているのだぞ!」と、お代官は〔栄蔵〕にそう言いました。
 それを聞いて、〔栄蔵〕は、漁師たちに〔お代官〕から言われたままを伝えたので、漁師たちは返って怒りを増し、両者の関係は一層、悪化していったのでした。
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 このような事が毎年続き、〔栄蔵〕は、『お代官』にも『漁民』にも嫌われました。
 悩みに悩んだ〔栄蔵〕は、やがて酒に溺れ、悪所通いが続き、ついに18才の時、「私はこの仕事に向いていない」と言って、「お酒を飲みに行く」と言ったその足で、お寺に駆け込み、髪を切って出家してしまったのでした。
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そして、もう二度と家に帰ることはありませんでした。
家族が来ても会いませんでした。(のち、山本の家は、弟が継ぐことになりました)
 さて、〔栄蔵〕は名を『良寛』と変えて、仏道修行に邁進していくになったのでした。 つづく

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