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紙芝居:『鬼子母神のおはなし』 (後編)

「鬼は~外、福は~内。・・でも追い出された鬼はいったいどうなってしまうのか?・・・おシャカ様なら、おそらく『福は~内、鬼も~内』って改心させた後に言うんじゃないかな・・。」では(後編)をどうぞ・・・。
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 朝になって帰って来た《ハーリーティ》は、一人、自分の子がいない事に気づきます。そして、彼女は血眼になって屋敷中を探し回りますが、やがていない事に気づき、外へ飛び出して行きました。
 《ハーリーティ》は目の色を変えて、森や山の中を探して回りましたが、見つかりません。
 そして遂に町の中に探しにやって来ました。
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「あのー、私の子を見かけませんでしたか?」と声を掛けて、家々を訪ねて回りましたが、皆は恐れ、あわてて戸を固く閉めてしまいます。「あー、待って下さい。もう10日も探しているのです。誰か、力になって下さい!」と《ハーリーティ》は訴えて回りました。 ・・が、当然です。誰一人彼女に近寄る者はいませんでした。
「もう駄目だわ・・」と思った時、どこからか何ともいえない良い香りがしてきました。「あっ、そうだわ。あの方に御すがりしてみましょう」と、(妖術も使えない程)疲れ切った彼女は、足を引きずりながら、《おシャカ様》の元へと向かいました。
 《おシャカ様》は夕日を背に座禅をしておられました。
 彼女の訴えを聞いた《おシャカ様》は言われました。
「お前は、五百人の子供がいると聞く。一人ぐらい居なくなっても良いではないか」と。
 すると《ハーリーティ》は、「何をおっしゃいます!どの子だって私の大事な子。私は母親です。あの子さえ見つかれば、この命など要りません」と答えました。
 「そうか、お前は母親か。ならば、子を失った母の悲しみは痛い程解るであろう」と《おシャカ様》は言われ、そしてぐっと睨み、「考えてみよ。子供とは親にとってかけがえのない者。その子供を奪われ、ましてや食われたとしたら、お前はどう思うか!」と言われました。
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《ハーリーティ》は激しいものに打ちのめされた様に草の上で、泣き伏しました。そして、「お許し下さい。・・私はなんと罪深い鬼であったのでしょう。この罪をどう償ったら良いか。これからは、どんなに餓えようと二度と子供は盗りません」と言いました。
 《おシャカ様》はそれを聞いて、弟子に目配せをして、彼女の赤ん坊をつれて来させました。
《ハーリーティ》は、我が子を抱きしめ声を出して泣きました。
「鬼に生まれたお前は、人間を食わずにはおられなかった。それはお前の生まれながらの悲しい〔業〕だ。その今に気持ちを忘れず、これからお前は〔子供達の守り神〕となって罪を償うがよい。」
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そして《おシャカ様》は、〔ざくろ〕の木の枝を一本渡し、「〔ざくろ〕の実は、人間の味がするという。(ホンマかいな!)これから人間の肉が食べたくなったら、〔ざくろ〕の実を口にするがよい。そして、その実を口にして、自らの罪を思い起こし、心を戒めよ。」とおシャカ様は言われました。
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 こうしておシャカ様のお導きにより、《人食い鬼・ハーリーティ》は、今では〔安産〕・〔子育て〕の神として、名前も『鬼母子神(きしぼじん)』と変り、多くのお寺でおまつりされる《神様》になったと云う事です。 おしまい

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