住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『富田林のはじまり~寺内町の話』(中編)

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各村の農民たちは、それぞれ代表を決めて集まりました。
「どないしまひょか⁈このままでは、我々はずっと泣き寝入りや。‥米は奪われ、家は焼かれる。・・それに兵隊には取られるし、年貢は取られても、ご領主は我々の命を守ってくれへん。」
「そや、武士に頼らん、我々だけの町を作るんや!」
「それはええ案やけど、そんな土地はどこにあんねんな?」
「ひとつ、あるでぇ!」
「えっ?それはどこや?」
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「あの『富田(とんだ)』の芝地やがな!」
 そこでみんなは、その土地を見に行きました。
「・・あの荒れた土地でっか⁈」
「そやがな、みんなで力を合わせたら、きっと立派な町が出来るで!・・みんなで銭出して、土地を買うんや。」
「けど、わしらお公家や武士やお寺さんと違うから、土地なんか勝手に買われへんで⁉」
「そや![興正寺(こうしょうじ)]の証秀(しょうしゅう)上人にお願いしてみよ。お上人にわしらの代表になってもらおう。・・お寺を中心とした新しい町づくりを頼んでみよう!きっと賛成してくれはんで!」 
 そこでみんなは、大阪の興正寺へ向かいました。
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 お上人は、農民の代表者たちに会われておっしゃいました。
 「お前たちの言いたいことは、よう分かった。
 荒れた芝地を、お寺を中心とした[寺内町]にしようというこっちゃな。・・武士たちの好き勝手な事の出来ん、自分たちで運営する平和な[極楽浄土]みたいな町を作ろうというこっちゃな。
 ようわかった。賛成や。・・しかし、あそこの土地は確か守護大名の土地や。売ってくれれば良いが・・、銭は百貫文(今の約2500000円)ぐらいは出さんとあかんやろなぁ・・。お前らはお金の工面をせぇ。わしは交渉に掛け合うたる。」
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 そしてお上人を代表に、守護大名と掛け合い、『富田の芝地』を、農民たちは手に入れました。つづく

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