病院に担ぎ込まれた彼女は、緊急手術を受けて奇跡的に、命は助かりました。
そして、意識を取り戻した彼女は、病院にまでやってきた裁判所の判事に向って、こう言ったのです。
「わてらを斬った後、お父はんは自首しはったんですね。・・わてはお父はんを恨みまへん。
・・お父はんは、わてを大切に育ててくれました。・・きっと魔が差したんや!」と。
それを聞いていた看護婦長さんは、退院の日に彼女にこう言ったそうです。
「あなたを助けてくれたのは、院長さんのお陰ですが・・、これからあなたが、背負っていかねばならぬ、(両腕の無い苦しみに)耐えていくことが『彼女にはきっと出来る!』と思われた神や仏のお陰もあると私は思うのです。
あなたの苛酷な体験を、(同じような体験をされた)多くの悲しみや苦しみにある人々に、お話してこれから役立ててください。
あなたなら出来ます!
・・あなたは『わてはお父はんを恨みません』と、裁判所の判事さんに言いましたね。
その言葉を聞いて、これは『神様の言葉や』と思ったので、あなたにこんな話をしました。
苦しい事があったら、私のところに、いつでもやって来なさい。」と言ったそうです。
(※余談ですが、この看護婦長さんはクリスチャンであったそうです。大石順教尼さんの御孫さんから僕は聞きました) つづく
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紙芝居:「大石順教尼ものがたり」(その3)
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