記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

紙芝居: 『インドのえらーいお坊様のお話~頼りになる者の巻』(後編)

ファイル 1983-1.jpg
「あなた、この私には、まだ年頃の子供がおりまして・・、その子たちの将来のことも考えてやらねばねぇ・・。
 私が死んだら、どういうことになるか⁈・・心配で心配で・・。」と言って、薬を飲むのを断りました。
ファイル 1983-2.jpg
 医者のふりをしている師匠は、次に彼の妻に声をかけました。
 そして、薬を手渡しました。
 妻は考えました。
 そして、やがて涙をためて言いました。
「主人は、今日までの寿命だったのですわ。・・私が死んだらこの赤ん坊はどうなりましょう⁈誰が育ててくれるでしょう?・・この薬を飲むわけにはいけませんわ。」と。
ファイル 1983-3.jpg
 そうこうしているうちに、薬の効き目がなくなって、弟子は身体を自由に動かせるようになりました。
 彼はその時、誰一人、自分のものではない事を、はっきり悟りました。
 そして、ベッドから降りて、師匠と共に家を出て行きました。
ファイル 1983-4.jpg

 師匠は弟子に話されました。
「これで分かっただろう・・。
 でもただ一人、自分のものと呼べるお方がいる。
 それが、神仏だよ」と。
 おしまい

紙芝居: 『インドのえらーいお坊様のお話~頼りになる者の巻』(中編)

ファイル 1982-1.jpg
弟子は言われた通りにしました。
・・そして、死んだようになりました。
 母、妻、その他の肉親たちは、彼が突然亡くなったと思い泣き始めました。
 折も良し、その時、医者に変装した師匠が訪ねてきました。
「わしは医者だが、どうして泣いているのか⁈」と訪ねると、家族は訳を話しました。
 そこで、医者はみんなの前で言いました。
ファイル 1982-2.jpg
「ここに良い薬があります。これを飲ませると、旦那さんは必ず生き返ります。
 ・・だが、一つ条件があります。
 この薬は、まず最初に、親族の者が飲まなければならないのです。
 それから、旦那さんに飲ませます。
 すると、旦那さんは生き返ります。・・が、最初に飲んだ者は死ななければなりません。
 見渡したところ、お母さんも奥さんも、親戚の方たちも、何人もおられる。
 きっと、どなたか、この薬を飲んでくださるでしょう。
そうすれば、この前途ある若者の命は助かります。」と言いました。
 もちろん、幽体離脱した弟子は、すべてを聞いていました。
ファイル 1982-3.jpg
 医者のふりをしていた師匠は、まず母親に声を掛けました。
 母親は嘆きのあまり、床の上を転げまわって泣いていたのですから・・。
「お母さん、もう泣くことはありません。
 早くこの薬をお飲みなさい。そうすれば、息子さんは生き返ります。・・もっとも、あなたは死にますが・・。」と言いました。
 母親は薬を手のひらにのせて、考え始めました。
 ずいぶん、考えました。
 そして、医者に言いました。 つづく
ファイル 1982-4.jpg

紙芝居:『インドのえらーいお坊様のお話~頼りになる者の巻』(前編)

ファイル 1981-1.jpg
インドのえらーいお坊様のお話の続編
 ある日、えらーいお坊様は、弟子のひとりに、こうおっしやいました。
「神様、仏さまだけが、お前のもの。ほかの者は、誰一人お前のものではないんじゃよ。」と。
 それを聞いて、弟子の一人が不服そうな顔をして、反論しました。
ファイル 1981-2.jpg
「でも、先生!私の母も妻も、大層良く私の世話をしてくれます。
 一度会って下されば、お分かりになります。
 彼女たちは、とても私を愛してくれています!」と言いました。
 すると、師匠はニッコ笑って・・、
ファイル 1981-3.jpg
「それはお前、錯覚というものさ・・。誰一人、お前に属している人間はいない。
 その事実を私が見せてやろう。
 ここに、不思議な薬がある。
 これを家に帰ったら、すぐ飲んでベッドに入って寝ていなさい。
お前は誰が見ても死んだようになる。
 家族は驚く!お前が死んだと思うだろう。
 だが、お前の意識はハッキリしていて、何でも見えるし聞こえる。いわば、幽体離脱じゃ。
 その時、わしが医者に変装して、お前の家を訪ねて行こう。」と言いました。つづく

紙芝居:『インドのえらーいお坊様のお話~縛られた人の巻』(後編)

ファイル 1980-1.jpg
だが、二匹か、三匹くらいがドボーン、ドボーンと、音をたてて逃げてゆく。
 そんな時、漁師は言うよ。「おっ、一匹デカいやつが逃げちまったぞ!」と。
 これが『悟れた人』。大いなる安らぎが手に入った人じゃ。
ファイル 1980-2.jpg
 しかし、網にかかった大部分の魚は、逃げようともしない。
 それどころか、網の目を口にくわえて、湖の底に潜り込んでじっとしてる。「もう心配ない。俺たちはうまくいっている」と考えている。
 世の中はそんなもんじゃ・・。
ファイル 1980-3.jpg
 やがて漁師たちが網を引き上げ、一匹残らず捕まってしまうことが、どうしてもわからない。
 これが、そっくりそのまま、『縛られた人』の有様じゃ。
ファイル 1980-4.jpg
 皆の衆、世間の楽しみなど、幻のようなもんじゃ。
・・地位、名誉、お金、すべては幻・・。
 漁師の網を抜け出す!それは、世間の束縛の網!
 大いなる安らぎを求める、そんな方法をそれぞれが探すこと・・それが大切な事なんじゃよ。 おしまい

紙芝居:『インドのえらーいお坊様のお話~縛られた人の巻』(前編)

ファイル 1979-1.jpg
わしの名は『ラーマ・クリシュナ』。
 インドのえらーいお坊さんじゃよ。
 皆の衆、しばらく、わしの話を聞いておくれ。
 それでは、はじまり、はじまりじゃ。
ファイル 1979-2.jpg
 わしの見る所、世の中には、四種類の人間がいるのぉ。
 一人目は『世の中のあらゆることに縛られた人』。
 二人目は『そのあらゆることから、脱け出して悟りを求める人』。
 三人目は『あらゆることから、悟れた人』。
 そして、四人目が『人びとを幸せにするためだけに、この世に居る人』じゃ。
ファイル 1979-3.jpg
 たとえ話をしよう・・。
 湖に漁師が網をしかけた。
ファイル 1979-4.jpg
 賢い魚は、決して網にはかからない。
 これは、人びとを幸せにすることだけを考えている人じゃ。
 世俗の楽しみに、まったく興味がない。
 ブッタなどの偉大な聖者たちの魂じゃな・・。
ファイル 1979-5.jpg
 だが、ほとんどの魚は網にかかってしまう。
 この中で、幾匹の魚は、逃げよう!と頑張る。
 これが、悟りを求める人じゃ。
 けれども、皆が逃げれる訳ではない。
 世の中には、誘惑が多いので、逃げるのが難しいのじゃ。
 後半に、つづくじゃ。

紙芝居:『走る!韋駄天(いだてん)』(その6 最終回)

ファイル 1945-1.jpg
 足の速い神[韋駄天]のもう一つのエピソード。
 韋駄天には、お釈迦様のボディガードという仕事の他に、もう一つ仕事がありました。
 それは、お釈迦様やお弟子たちへの『食料調達係』という、(足の速さを買われての)仕事でした。
(※余談だが、ボディガードと食料調達仕事は、両立したのだろうか?・・もし、食べ物を集めている途中、お釈迦様が襲われたらどうしたろうか⁈・・が、考えてみたら、仏様のボディガードの神は、韋駄天だけではない。ほかにも沢山(ケビンコスナー級[笑]のガードマンたちが居たろうから、そんな心配は無用なのだろう・・。)
 韋駄天は、自慢の足の速さを使って、食べ物材料の調達係をしました。
 山を越え、谷を越え、野菜や果物などを集めて回ったのです。
ファイル 1945-2.jpg
 それで皆は韋駄天に感謝し、「韋駄天様、馳せて走って、食べ物を集めてくださり有難うございます。・・馳走さまでした!」と言いました。
 それがやがて、『ご馳走さまでした』という言葉の由来になっていったそうです。
 今では食事の最初に『尊い命をいただく』ので、『いただきます。』と言い、
 最後に、韋駄天のように(馳せて走って)食事を用意して下さったたくさんの人たちへの感謝を込めて、『ご馳走様でした』というようになったそうです。
ファイル 1945-3.jpg
 仏様の為に、たくさんの人々のために、走り回って活躍した神様『韋駄天』。
 今も、京都は泉涌寺さまの『舎利殿』で、仏舎利を守っておられます。
 又、『馳走』の由来から、様々なお寺の台所にお祀りされております。 
ファイル 1945-4.jpg
(仏舎利と韋駄天)
 おしまい

紙芝居:『走る!韋駄天(いだてん)』(その5)

ファイル 1944-1.jpg
(能楽『舎利』[舎利を抱える鬼])
紙芝居では、『舎利』を盗んだ鬼の逃亡者[足疾鬼]が、追跡者[韋駄天]に捕まり、「もうしませーん!」と反省したが、実はそうではなかった。
・・そう、この話にはまだ後日談があるのです。
今回は、その余談のお話になります。
ファイル 1944-2.jpg
(会場:茨木クリエイトセンター)
 能楽に『舎利』という演目があります。
 昨日、茨木クリエイトセンターに行って観てきました。
 物語は、実は足疾鬼が、まだ『舎利』をあきらめきれず、あれから日本の『泉涌寺』に奉られた『舎利』を、人間に変装して盗みにやって来るところから始まります。
 そして盗みに成功した鬼の、また逃亡が始まります。
 泉涌寺の寺の僧たちの祈りに応えて、天界よりまたまた韋駄天が呼び出され、『ルパーン、待てー!いや違う、足疾鬼、逮捕じゃー!』と銭形のとっつぁん警部のように、舞台の上で、足疾鬼と追いかけっこをして、最後には無事に『舎利』を取り戻し、お寺に返すというストーリーです。(これが本当の鬼ごっこ)
 (ゴジラの動きのようで?)あまり激しい動きのないの能楽には珍しいアクション活劇ですよね。・・けっこう面白かったです。セリフは余りわからんかったけど・・。)
 が、最後は足疾鬼が、まだ残念そうに『舎利』を持ち去る韋駄天を見つめる所で舞台は終わっているので、きっとこれは『続編』を考えていたのでは?と思ってしまいました。 
ファイル 1944-3.jpg
(泉涌寺:『舎利殿』)
ファイル 1944-4.jpg
(今も韋駄天は、仏様の『舎利』を守っている)
 ・・さて、この紙芝居はまだ終わりません。
・・もう一つ大事な『韋駄天』のエピソードがあるからです。 次回、最終回   つづく

紙芝居:『走る!韋駄天(いだてん)』(その4)

ファイル 1941-1.jpg
 韋駄天は、神様です。
 鬼がどこに逃げようと、直感で分かります。
「あっ、あそこに見えるは、大事に何かを抱える鬼⁉・・あやつこそが[足疾鬼(そくしつき)]に違いない!・・待てー!」と、韋駄天は鬼を発見し、追いつきました。
 そして、ついに足疾鬼を捕まえたのでした。
ファイル 1941-2.jpg
「許してくだされー。わしもお釈迦様の[舎利]を持って、幸せになりたかったのじゃー。もう、悪いことはいたしませーん。舎利はお返しまーす。」と、足疾鬼は泣く泣く言いました。
「鬼よ、素直に返すなら命はとらぬ。・・人の物を盗むことで幸せにはならぬぞ!よーく、反省せよ。」と、韋駄天は言いました。
ファイル 1941-3.jpg
「この通り、お釈迦様の歯の[舎利]は、無事に取りもどしました。お受け取り下さい。」
「確かに。・・韋駄天、感謝いたします。有難う!」と、お坊さんたちは厚く御礼を言いました。
ファイル 1941-4.jpg
 そして、やがてこのお話が世界各地に伝わり、足の超・速い人のことを『韋駄天走り』と、日本でも云われるようになりました。
 今も日本の陸上競技会では、若き『韋駄天』たちが、たくさんの声援を受けて大活躍していますよね。 つづく

紙芝居:『走る!韋駄天(いだてん)』(その3)

ファイル 1938-1.jpg
「韋駄天、頼みましたよ。何とかしてあの鬼を捕まえて、お釈迦様の[歯の舎利]を取り返してください!」
と、お坊さんたちは韋駄天に頼みました。
「はい、わかりました!」
と、韋駄天は走り出しました。
ファイル 1938-2.jpg
 その速いこと、速いこと!
 土煙を上げて、あっという間に、お坊さんたちの前から消え去りました。
 そして、韋駄天はスーパーマンのように飛ぶように走りました。
つづく

紙芝居:『走る!韋駄天(いだてん)』(その2)

ファイル 1937-1.jpg
鬼の名前は、[足疾鬼(そくしつき)]と云いました。
 鬼は、お坊さんたちの前に出て来て言いました。
「お願えでございます。あっしにも、お釈迦様のお骨(舎利)を見せてくだせえ」と。
 そこでお坊さんたちは、一つの容器を取り出して来て、言いました。
「これはなぁ、お釈迦様のお口の中の[歯]の舎利じゃ。たいへん尊いものじゃぞ。持っておれば幸せになれるという、貴重な物じゃ。大切に見てみろ・・・⁉あっ!」
というや否や、鬼は歯の容器を持って逃げ出したのです。
ファイル 1937-2.jpg
「俺も幸せになりたいんじゃ!あばよ!!」と。
 その足の速いこと、速いこと!
 足疾鬼は、鬼の中でももっとも足の速い鬼だったのです。
「たったっ大変だ!誰か、何とかして鬼を捕まえてくれー!
 あの速い鬼を捕まえることが出来る者は⁉
そうだ、韋駄天(いだてん)だ!」 つづく
ファイル 1937-3.jpg
(泉涌寺『舎利殿』内 韋駄天像)

ページ移動