住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『1665年ロンドン伝染病の記録』(その7)

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このような不安な世情であったので、その不安をもっとあおろうとする占い師や、おかしな魔術師、・・又、インチキ薬を売って、もうけようとする偽医者も現れた。
 そしてここにも、怪しげな裸の男が・・、
「わしは神じゃー!あの星を見よ!あれはこの世が滅亡する予兆なのじゃー。
 しかし、ワシの弟子になれば必ず救われるぞ!
 さぁ、全財産をワシの教団に寄進せよー。そしてワシの弟子になるのじゃー!」と叫んでいた。
 このような怪しげな宗教に入信し、救いを求める者も決して少なくなかったのだ。
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 又、市議会の行政は、すべての犬・猫などの小動物の駆除の法令を発令した。
 それは『これら小動物は、毛の中に悪い菌をくっつけて感染を広げているかもしれない』という医者からの勧告に従う理由からであった。
 こうして、駆除された犬が四万匹、猫は二十万匹、又ネズミなども大量に駆除されたのだ。 つづく

紙芝居:『1665年ロンドン伝染病の記録』(その6)

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 この大穴の中に遺体を埋葬する。
「こんな大きな穴を掘る必要はあるのか?」と私は思った。
 が、あっという間に穴は遺体でいっぱいになってしまった。
 ある日、私は埋葬人に聞いてみた。
「あんた達は感染しないのかね?」と。
すると彼は、「ワシらの仲間でも感染して亡くなった者が、多くいますよ。が、ワシは毎日ニンニクを食べ、お酢を頭にかけて絶えず湿らしているので、大丈夫なんですよ。」と。
 不思議な事だが、こういう事でペストに感染しない者もいたんだ。
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 ロンドン市議会は、このような非常事態に感染拡大を防ぐ為、人が集まる酒場や芝居小屋の営業を禁止した。(いつの世も同じ)
がしかし、(いつの世も、こりゃ又同じ)行政に逆らうものが居た。
 この酒場でも、毎晩こっそり営業をしていた。
「こんな楽しい事、やめられまへんで!アルコール消毒や!」
「ペ、ペ、ペストなんか、怖くない怖くない。」
「人間一度は死ぬんや。あの世に行ったら、神さまに文句を言うたんねん!」と、関西系のイギリス常連客達は毎晩、酒を飲み騒いでいた。
 がある日、その中一人が感染し、あっという間に皆、亡くなったという事である。つづく
 

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