そして、昭和12年9月15日。
ついに彰元(しょうげん)師は、戦争へ出征する兵士を見送る道中、軍隊を除隊した村人に対し、話し始めたのでした。
「僕は『戦争は罪悪』であると思う、と同時に人類に対する敵であるから、止めた方が良いと思うが・・、君はどう思うかね?」と。
その村人は驚きました。
なぜなら、この時、日本の政府は『暴れん坊の中国を懲らしめる、いわばこれは正義の戦争なのだ!』と、表明したばかりだったのですから・・。
この村人は、彰元師の発言を他の仲間に言いました。
「あの坊主!今から戦争に行く若者を応援せずに、何という事を云うのだ!とっちめてやる!」と、仲間を伴い、彰元師を問い詰めました。
が、この時はお互い村の者どうし、という事で、大きな騒動にはなりませんでした。
が、しかし・・、彰元師は反省していませんでした。
その一か月後。 つづく
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