住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「戦争は罪悪である」(その3)

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 そして、昭和12年9月15日。
 ついに彰元(しょうげん)師は、戦争へ出征する兵士を見送る道中、軍隊を除隊した村人に対し、話し始めたのでした。
「僕は『戦争は罪悪』であると思う、と同時に人類に対する敵であるから、止めた方が良いと思うが・・、君はどう思うかね?」と。
 その村人は驚きました。
 なぜなら、この時、日本の政府は『暴れん坊の中国を懲らしめる、いわばこれは正義の戦争なのだ!』と、表明したばかりだったのですから・・。
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 この村人は、彰元師の発言を他の仲間に言いました。
「あの坊主!今から戦争に行く若者を応援せずに、何という事を云うのだ!とっちめてやる!」と、仲間を伴い、彰元師を問い詰めました。
 が、この時はお互い村の者どうし、という事で、大きな騒動にはなりませんでした。
 が、しかし・・、彰元師は反省していませんでした。
 その一か月後。 つづく

紙芝居:「戦争は罪悪である」(その2)

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 時代は、大正時代から昭和へと移り、日本の国は、軍国主義へと突き進んでいきます。
 それは、『不殺生(ふせっしょう)』=[殺すべからず]を説く《お寺の世界》でも他人事ではなく・・、
 『一殺多生(いっせつたしょう)』=[少し殺して多くが生きる]という、本来、仏教には無い言葉を生み出し、お寺が[戦争]に積極的に協力してゆくことになったのです。
 この状況に『これはおかしい⁈、間違っている!』と、竹中彰元師は悩まれるのでした。
 そして、日本はやがて、中国へ大規模な軍隊を派兵していったのでした。
 日中戦争の始まりです。 つづく

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