住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「妙好人 赤尾の道宗」(その7)

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村人A「おいっ、お前知っとるけ?道宗さんはいつでも『お念仏の教えには、修行はいらん!』と言うとるじゃろう。・・ところが、夜にはこっそり、自分だけ[割木]の上に眠る、ヨガの行者みたいな苦行をしとるらしぞ。・・体のあちこちに傷跡があるのを見た者が居るそうじゃ。・・いっぺん、道宗さんを問い質してみようかのう⁉」
 そこで、村人たちは道宗さんの家に向かいました。
 そして、尋ねてみると・・、
道宗「あぁっ見られてしもたか⁉・・確かに、わしは割木の上で寝て居る。
・・が、これは修行では無いのじゃ。・・阿弥陀様がわしのような愚か者でもお救いになる。これは何とももったいない事じゃないか!
・・こんなワシが、夜には、ぬくぬくあったかい布団で朝まで眠てしまう。・・ワシは思ったんじゃ。割り木の上で眠ったら、その痛さで目が覚める。そのたびに、阿弥陀様への感謝のお念仏がこぼれて来る。阿弥陀様のご苦労がほんの少しでも分かるような気がする・・と。
 ワシは阿弥陀様のお慈悲を忘れんが為に、こうして休ませてもろとるんじゃよ。・・ナンマンダブツ。」と、言われたそうです。つづく
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 愚かな僕もやってみた。
 とても、痛くて長時間出来なかった。
 実際に赤尾村で見たのだが、本当の赤尾の割り木は、もっと太くてデカかった。これより、めっちゃ痛いと思います。
 超人道宗に敬服、南無阿弥陀仏。
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紙芝居:「妙好人 赤尾の道宗」(その6)

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 やがて、道宗さんはお嫁さんをもらいました。
 家庭を持っても、旅に出ることの多かった道宗さん。
 ある日、お嫁さんが「私も一度、旅につれて行って下さい。」と頼みました。
 「それじゃ、一緒に行こう」と、夫婦で京の本願寺へ出発しました。
・・・が、お嫁さんは初めての旅行です。途中で旅費が足らなくならないか不安でいっぱいでした。
 それで、ずっと財布の中身ばかり見ておりました。
 それに気が付いた道宗さんは、「お前、お金を捨てよ!」と一言。
 「あぁっ・・はい」と、不服そうにお嫁さんは、財布を道に置きました。
 『・・これから、どうなるの⁉』と、力無く歩いているお嫁さんを見て、又道宗さんは一言。
「お前、お金を捨てよと言ったのに、まだ持っているのか⁉」と。
 それを聞いて、ムッとしたお嫁さんは「とうにお金は捨てました!」と反撃。
 「お前はまだ、心の中にお金を持って居る。お金が命のことより、大事だと思っているから、お念仏が口から出てこないんだ!」と叱ったそうです。
 ・・その後、この二人の旅はどうなったかって?
 記録には残っていません。 つづく
 

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