血の痕を追っていくと、大きな洞窟がありました。
その前で、大きなタヌキの化け物が、矢を受けて死んでおりました。
大変まじめで、修行熱心な和尚さんは、化け物に簡単に騙されてしまいました。
・・がしかし、『常識』を身に付けていた学問の無い猟師は、決して騙されませんでした。
『常識』とは、普通の一般の人が、普通に持っている知識や思慮分別のことです。
常識を持った猟師が、一途な修行僧の命を救った、(ある意味)皮肉なお話でした。 おしまい
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紙芝居:「常識」(その4:最終回)
紙芝居:「常識」(その3)
猟師の放った矢は、仏様の胸に命中しました。
その時です。
バリバリバリバリッと、地が裂けたような音がして、一瞬にして、仏も霧も消えて無くなりました。
「なっなっ、何ということをしてくれたんじゃ!この罰当たりな奴め!」と、和尚さんはカンカンです。
すると猟師は、「まあ、落ち着いてください。あれはおそらく仏様ではありませんよ。」と答えました。
和尚さんは「なぜじゃ⁉」と問うと、
猟師は「常識で考えてみてください。
和尚様は毎日、厳しい修行をされている。
・・それで、仏様がお姿を現されるのは解ります。
がしかし、お経もまだ読めない小僧さんや、信心も超薄いこの私までもが、なぜ、クッキリハッキリ仏様が見えるのでしょうか⁉
・・あれは間違いなく魔物です。臭いで解りました。
きっと、機会があれば、和尚さん達を食い殺そうと、そのチャンスをうかがっていたんですよ。」と言いました。
そして、次の日、弓矢を放った所をよく調べてみると、点々と、獣の血の跡がついていました。
そして、その後を追っていくと・・、 つづく