住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「修験者 役の小角(おづぬ)」(その6:最終回)

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 捕らわれた母親を救う為に、自ら姿を現して、捕まってしまった小角・・。
「お母さん、大丈夫ですよ。必ず、私は帰って来ます!」と言って、小角は去りました。
 そしてそのまま、伊豆大島に島流しになってしまいました。
 ・・それから、二年が経ちました。
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 やがて、小角の無実が判明し、無事、大和の国に帰って来ることが出来ました。
 が、その年(大宝元年[701])、小角は亡くなりました。(ここから僕の想像ですが、すでに小角は伊豆大島で、無理がたたり身体が衰弱していたのか?・・あるいは遺体になって帰って来たのではなかろうか?・・と思ってしまった[涙])
 その死についても諸説様々で、小角は大阪の[箕面]の山から、天高く雲に乗って飛び立ったとか・・。
 あるいは、母を小っちゃくして鉢の中に入れ、中国大陸まで飛んで行ったとか・・。いろいろな伝説があります。
(まぁ、多くの人から、小角は好かれていたんやろなぁ。だから、そのまま死なせたくなかったんやろなぁ。)
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 役の小角が亡くなって、1300年。
 小角が開いた、[修験道]という日本古来の信仰は、今も『奈良県:吉野』の[金峯山寺(きんぷせんじ)]を総本山にして伝わっています。
 そして、小角の目の前に現わされたという《金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)》様は、今も本堂から我々を見守って下さっているのです。

 ・・えっ?なぜ、三体も金剛蔵王権現さまが居るのかって?
 それは、過去の過ちを赦す《お釈迦》様、現在を護る《千手観音》様、未来を輝かせる《弥勒菩薩》様が、それぞれ、金剛蔵王権現さまに変身して、我々を守って下さっているからなんですって。
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(吉野:金峯山寺)
 おしまい

紙芝居:「修験者 役の小角(おづぬ)」(その5)

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 余談ながら、小角の一番弟子になった[前鬼]・[後鬼(ごき)]という二匹の鬼には、ちゃんと出身地があります。
 前鬼は、奈良県吉野郡下北山村出身で、夫。
 後鬼は、奈良県吉野郡天川村出身で、妻。
 二人はいや、二匹は[鬼夫婦]なのだそうです。
 記念に買った[携帯ストラップ]の裏に書いてありました。・・面白いですよね。
 又、今でも小角の[金峯山寺]では、『節分』の時、「福は内、鬼も内!」と言って、豆を巻くそうです。・・鬼も一家なのですね。
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 面白いといえば、初めにも述べましたが、小角は『薬』という物を発明した日本で最初の御方。
 その代表が胃腸薬『陀羅尼助』。
 今、その陀羅尼助の[のど飴]が売ってましたので、これも買いました。味はやはり、陀羅尼助丸の味がしました。・・おもしろっ!
 さぁ、紙芝居に戻りましょう。
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 たくさんの弟子が増えた小角でしたが、その中に一人、不心得な弟子が居りました。
 彼は師匠の小角を妬み、時の天皇に讒言しました。
「・・小角は人々を惑わす魔法使いのような男でっせ。・・まさに『ハリー・オッヅー』でおま。ほっといたら、危ない男でっせー!」と。
 天皇は直ちに役人を派遣して、小角を捕らえようとしました。
 しかし、不思議な力を持つ小角は、いっこうに捕まりません。
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 そこで、役人は小角の母親を捕まえて、小角を誘き寄せる作戦に出ました。 
 そして、小角は母を救う為姿を現し、捕まってしまったのです。
 つづく 次回、最終回

紙芝居:「修験者 役の小角(おづぬ)」(その4)

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 金剛蔵王権現をご本尊として迎え、修行によって不思議な力を身に付けた小角は、皆から『役の行者』と呼ばれるようになりました。
 そんなある日、生駒山で村人たちをいじめる鬼のうわさを聞きました。
 もちろん、小角は黙ってはいません。
「村人をいじめるとは許せん!」と、生駒山に登り、たちまち鬼をやっつけ、改心させました。
「行者様、許してくだされ。私たち鬼は、あなた様の弟子になって、これからついて参りますんで・・。」と、
[前鬼]・[後鬼(ごき)]という鬼は、こうして、役の行者の一番弟子となりました。
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 さらに小角は、修験の道を整えながら、日本国中を巡りました。
 北は東北から、山陰・山陽地方、四国、九州まで、修験道場を開いていったのです。
 そして、やがてたくさんの弟子ができました。
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(小角が開いた代表的な修業地:大峰山への入り口)
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(修行の山:ここは今でも、女人禁制である)
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(山上ヶ岳の山頂に建つ、大峰山寺)
つづく

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